年代別に主なスイーツの流行を追ってみよう。
消費財の輸出入が活発になった1970年代、創造性と新奇性が求められた1980年代。ムードが重視された1990年代、そして2000年代になってからは「昔からあるものにひと味加えた新しさ」が望まれている。
大きな変化や新奇性よりも、平凡だが非凡、日常の中の非日常、新しい定番。ストックを上手にリメイクして、“等身大でびっくり”型の商品企画がウケている。
だが、単なる過去資産の流用ではヒットはしない。川村さんのマダム ブリュレ、その起源は彼女が子ども時代に憧れだったバウムクーヘンと、おいしかったお母さんのホットケーキ、そして好物のクレームブリュレの3つの良さを合わせたいという想いから生まれたという。
私にとってバウムクーヘンといえばユーハイム。そしてキャラメルと言えばプリンだ。どちらも懐かしく、今も舌の上で、その味を思い出すことができる。川村さんは消費者のそんな“忘れられない味”をベースに、今の社会が求めるものを重ね合わせた。それが忘れられない商品となったのである。
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