日本政府観光局は1月26日、2010年の訪日外国人数(推計値)を発表、前年比26.8%増の861万2000人と大きく伸びたことが分かった。これまで過去最高だった835万1000人(2008年)を26万1000人上回り、前年比の伸び率としても大阪万博が開催された1970年(同40.4%増)に次ぐ第2位となった。ただ、2010年までに年間の訪日外国人数を1000万人にするという政府の目標(ビジット・ジャパン・キャンペーン)には届かなかったようだ。
日本政府観光局では「世界各国の景気回復による外国旅行需要の拡大、訪日旅行の宣伝効果などが訪日外国人客数の増加要因となったほか、10月末からの羽田空港の国際定期便就航も追い風となった」とコメントしている。
訪日外国人客数を国別に見ると、最も多かったのは韓国で前年比53.8%増の244万人。2009年は円高や新型インフルエンザ、景気低迷で前年比33.4%と激減したが、2010年はV字回復した。2009年に日本の観光名所(秋田市、田沢湖、乳頭温泉、男鹿半島など)を舞台にしたテレビドラマ『アイリス』が放映された影響で、2010年前半を中心に韓国人の個人旅行者や団体ツアー客が撮影地や周辺の観光地を訪れたという。
2番目に多かったのは中国で、前年比40.5%増の141万3000人。これまで2位だった台湾を抜き、初めて2位に浮上した。九州へのクルーズ需要が伸び、中国人クルーズ客数は前年より数万人増加した。ビザの発給条件が緩和され個人旅行できる層が拡大したことも後押しとなった一方、9月に起こった尖閣諸島での中国漁船衝突事件の影響で10月以降の訪日客数は落ち込んだ。
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