欧州問題が懸念されて大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月16日 17時01分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9411.28円 ▼163.04円
売買高 17億9285万株
売買代金 1兆1425億4600万円
値上がり銘柄 233銘柄
値下がり銘柄 1345銘柄
騰落レシオ 82.21% ▼0.72%

日経平均

米国株安を受けて売り先行、一旦底堅さが見られるも欧州問題が懸念されて大幅安

 米国株が大幅下落となったことから売り先行となりました。ただ、寄り付きの売りが一巡となると外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたことや、昨日の相場で米国株高を反映しきれておらず、米国株安をある程度織り込んでいたこともあり、底堅さもみられました。主力銘柄に軟調なものが目立ちましたが、値ごろ感からの買いや持高調整の買い戻しもみられ、また、幕間つなぎ的に値動きの良い銘柄を物色する動きもあり、指数は底堅く方向感のない展開となりました。

 後場は欧州の財政問題が取り沙汰されてユーロが売られたことなどもあり、信用収縮が進むように一段安となりました。さすがに特に売り急ぐような材料ともみられないなかでの一段安となったことで、9400円を意識して下げ渋りとなりましたが、買い戻しを急ぐでもなく、大幅安の水準で戻りの鈍い展開が続きました。最後まで手仕舞い売りなどもみられ、結局指数は安値引けとなりました。

 小型銘柄は主力銘柄が売られるなかで幕間つなぎとして買われるものもみられ、堅調なものもありました。東証マザーズ指数や二部株指数は堅調、日経ジャスダック平均やジャスダックTOP20は軟調となりましたが、主力株ほどの下落はありませんでした。先物は午前中はほとんどまとまった売り買いもなかったのですが、午後になってからまとまった売りが散発的にみられ、指数を下押す場面もありました。ただ、断続的に売られる局面は少なく、下げ渋りとなる場面もみられました。

 米国ではQE2(量的緩和)終了を織り込んでいるような冴えない展開となっています。日本市場は米国株に連れ安となったものの、米国のQE2終了の影響は直接的には少ないと思います。欧州金融不安も「狼少年」のような感じで「またか」という見方もあり、世界的な景気鈍化はあくまでも懸念で終わるような気もします。米国でもQE2終了を織り込んでくれば、好業績な企業も多く、センチメントも好転してくるのだと思います。日経平均は当面、9200円〜300円下値の9500円〜600円水準が上値と言う範囲での動きとなると思います。

テクニカル分析

日経平均

 雲に上値を押さえられた格好となりました。戻りかけていたストキャスティックスも方向感はなく、RSIは相変らず方向感はみられません。かなりもみ合いも煮詰まっている感じですが、まだ雲に押さえられながらの調整が続くのでしょう。雲のねじれの日柄になって動きが出て来るか、その前に遅行線が日々線にからみながら動き出すかもしれません。

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