福島第1原発で事故が起き、日本はかつてない量の放射性物質で汚染されてしまった。私たちは残留する放射能とどのように付き合っていけばいいのだろうか。
事故後、武田邦彦氏のブログが注目された。例えば「見えない放射能から、子どもを守るにはどうすればいいですか?」といった読者からの質問に対し、答えていった。
こうした質問は国や行政が答えなければいけないが、なぜ子どもをもつ親は武田氏に相談するのだろうか。その背景には「国はきちんとした情報を出してくれない」といった不信感があるのかもしれない。
武田:僕はブログを書き続けています。睡眠時間を削りながらなぜブログを書いているかというと、多くの国民が原発に不安を感じているから。読者からは「どこに行けば、被ばくから逃れられるのですか?」「福島第1原発から何が飛んできたのですか?」「私たちはこれからどうすればいいのですか?」といった質問が多いのです。そして、それに答えています。
ある日、雑誌記者と新幹線の中にいるとき、PCを立ち上げ、読者からの質問に答えていました。するとその雑誌記者は「なぜ武田さんが、そんなことをしなければいけないんでしょうか?」と聞いてきました。
本来、こうした質問には国や行政が答えなければいけない。しかし読者からは「役所に行っても、何も教えてくれません。なので武田さん教えてください」といったメールが来るんですよ。
原口:飯舘村に住んでいる方も、こんなことを言っていました。ある放射線を専門にする学者が「野菜は洗えば食べられますので、どうぞ食べてください」と。それを聞いて農家の人も飛びついてしまった。少しでも安心な情報を得たいというのは、人間の心理。しかしそれを希望的観測でやってはいけない。学者はファクトに基づいて、情報を提供しなければいけないんです。
文部科学省は学校などで許容される放射線量を、年間20ミリシーベルトにしました。その数字は、どのファクトに基づいているのでしょうか? 20ミリシーベルトという数字が発表されたとき、僕はこう誓いましたね。「この民主党政権を絶対に潰してやる」と。
武田:おー。小泉元首相のようになってきましたね。
原口:僕は真剣にそう思っています。これはまだ裏がとれていない情報であることを、あらかじめお断りします。福島県の責任のある人たちは「当初、基準を100ミリシーベルトにしようとしていた」ということを聞きました。もしこれが事実であれば、本当にひどい話です。
武田:それが事実であれば、かなりひどいですね。
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