→大阪の未来はバラ色か? 橋下市長にふりかかる困難【特別編・前編】
→なぜ橋下市長は「大阪都構想」を打ち上げたのか【特別編・後編】
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ちきりん:中田さんは横浜市長の時代、さまざまな改革を行われました。総論としては中田さんの改革に賛成している人の中にも、いざ自分のことになると「なんで自分の部署なの?」「まず他からやってよ」と不満を言い始める、と本に書いてありました。
市役所で働いている職員の人たちは、別に莫大な利益を得ているわけではないけれど、長い公務員生活の中でちょっとずついろんな面で優遇されてきた。それが積み重なり、いつのまにか当事者の間では当たり前になってしまっている利益がある。いわゆる“既得権益”になっているものがあるわけで、それをちょっとでも剥奪されるとなると、大きな不利益だと感じる。そういうことでしょうか?
中田:「なんで、私が!? あの人のほうが先でしょっ!」といった優先順位を感じる人が多いんですよ。
例えば交通違反でもそうですよね。駐車禁止のキップを切られたら「こんなことをしている暇があったら、警察は凶悪犯を捕まえろ」と思う人もいますよね。こうした悪態をつく背景には「オレじゃないだろう! 先に捕まえなければいけない奴がいるだろう」という思いがあるから。その優先順位は人によって違っていて、また自分中心に見ている。
政治というのは、マーケットが絞られていない。例えばおもちゃメーカーであれば、子供またはその親、おじいちゃん・おばあちゃんを相手に宣伝するでしょう。化粧品だったら、女性を相手に宣伝する。しかし政治というのは老若男女、全体なんですよ。要は全体に向けて政治を行っていかなければいけないのですが、実際は投票に行く限られた層になりがち。
限られたというのは言いすぎで、現状は、年齢が高くなるほど投票率は高くなる。そうした構造になっているので、若い人よりもお年寄りに向けてアピールするようになる。結局、若い人たちに向けた政策展開が行われないようになってしまっている。
例えば待機児童の問題があります。保育園が不足しているという現実がありますが、その保育園を必要としている若い人たちはあまり大きな声をあげません。
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