“でっち上げ記事”を書かれたら、どうすればいいのかちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(1)(1/5 ページ)

» 2012年01月06日 08時25分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 人気ブロガー・ちきりんさんと前横浜市長・中田宏さんの対談(本編)がスタートしました。横浜市長だったころの中田さんは、マスコミからどのような“攻撃”を受けてきたのでしょうか。そしてその攻撃に対し、どのような対抗手段をとってきたのでしょうか。昨年暮れに掲載した特別編と合わせてご覧ください。

横浜市長時代には“火の粉”をかぶった

ちきりんさん

ちきりん:私は長くビジネスの世界で働いてきて、その中で企業社会の裏側も見てきました。だから政治の世界にも同じように「いろいろ大変なことがあるんだろーな」とは想像していたんです。でも中田さんが書かれた『政治家の殺し方』(幻冬舎)を読むまで、それが具体的にどのような大変さなのか、よく分かっていませんでした。

 この本を読んで初めて「ここまで具体的に政治の裏側が理解できる意義」が分かって、これはたくさんの人に読んでもらいたいと思い、ブログでも紹介させていただきました(参照リンク)

 それにしても、横浜市長時代には大変な“火の粉”をかぶられましたね。主な疑惑だけでも「合コンでのハレンチ行為」「公金横領」「海外視察のサボり」「不倫騒動」「飲酒運転」「税金ネコババ」など。結局そうした記事は“でっちあげ”だったとして、中田さんは裁判で全面勝訴されたわけですけど。

中田:本当にたくさんありましたね(関連記事)。マスコミによる僕への攻撃は2007年11月10日号の『週刊現代』の記事「中田宏横浜市長『“私の中に指入れ”合コン』と『口封じ恫喝肉声テープ』」から始まりました。そして翌週(11月17日号)には「“ワイセツ合コン 横浜市長”中田宏の『公金横領疑惑』と『黒い人脈』、その後も「中田宏横浜市長は海外視察をサボってキャバクラで『ホステスおさわり』」、「“憤死”横浜・高秀秀信前市長の未亡人美智子さんが激白『夫は中田宏に殺された』」といった記事が掲載されました。

 このほかにもたくさんの記事がありましたが、もしこれらのことが事実であれば、僕は今ごろ塀の中で暮らしているでしょうね。マスコミのやり方は明白です。「政治家を殺すのに刃物はいらない。スキャンダルをでっち上げればいいんだ」というやり方ですね。

 この本では僕が経験したことを綴っていますが、いわゆる暴露本ではありません。日本社会の構造を知ってもらうことが目的です。その構造が温存されているから日本はどんどん活力が失われているのだし、構造を守るために醜い権力闘争が行われているということを知ってもらいたかった。

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