最近の若者は、リーダー論をどこで学ぶのかちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(6)(1/4 ページ)

» 2012年01月25日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

公務員にとって、“ありがたい市長”

ちきりん:もしタイムマシンがあって、横浜市長になった37歳に戻れるとすれば、今度はああいった酷い攻撃にどう対応されますか(関連記事)※。今の知識と経験値を持って、市長になったらナニが起こるのかを理解したうえで当時に戻れたら、今度は何か違うやり方がありますか。

※中田氏は横浜市長時代、多くのスキャンダル記事で“攻撃”された。いずれも捏造記事で、のちに裁判で勝訴。また女性から慰謝料を求められた裁判でも、全面的に勝訴した。
中田宏さん

中田:コミュニケーションのとり方のほかに、「こちら側の層」をたくさん作る必要があるでしょうね。

ちきりん:こちら側の層というのは?

中田:まずやることは変わりませんよね。財政を立て直すためには、さまざまなことについて見逃すわけにはいきません。利権構造を改めたり、無駄と思えるものを削ったり、予算配分に優先順位をつけたりということは同じです。結果として、利益を失う人の心象を悪くしてしまうでしょう。だけど、これは仕方がない。

 こちらの層を作るというのは、情報を発信するのが僕ひとりだけではダメだということ。プラスアルファーでもダメだと思っています。もっと面的に対応しなければいけないでしょうね。

ちきりん:事実をきちんと伝えるために、組織や人の体制を作るということですね。

中田:また「つけ込まれないようにするために」というのもありますね。当時も、自分の脇はしめていました。当然、お金にからんだ不正などを働いたことは一度もありません。

 ただ「自分はこんなことはやっていない」と1人で訴えても、なかなか伝わらない。でも本人以外の人が言うことによって、説得力は増すはず。なので、もしタイムマシンに乗って横浜市長時代に戻れるのであれば、こちら側の層を厚く作って改革を展開していきたいですね。

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