一人暮らしを始めた若者、10人中4人が両親に優しくなった

» 2012年05月07日 12時16分 公開
[Business Media 誠]

 4月。新年度になり、就職や就学で初めて一人暮らしを始めた人も多い。彼らはどのようなことに悩み、どのような発見をしたのだろうか。アットホームが、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で一人暮らしをする10代〜20代の男女600人を対象に、初めての一人暮らしの実態調査を行った。

壁に画鋲を刺していいものか悩む

 初めての一人暮らしでは何もかもが新鮮な様子で、部屋探しや引越で戸惑うことも多いようだ。例えば、一人で不動産屋に行くのが不安で、友人や恋人についてきてもらったと回答した若者が26.2%いた。また、38.0%が役所での移転手続きの面倒くささに驚いたという。このほか、「壁に画鋲やピンを刺していいか悩む」(40.5%)、「引越した日の夜、怖くて電気を点けて寝た」(11.2%)といった初々しい悩みもあったようだ。

 少数意見となるが、「荷物を解く前、部屋の真ん中で大の字に寝そべってみた」という思わず納得してしまう意見や、「まずはGoogleで近くのスーパーと内科を検索した」というITを活用している様子も寄せられた。

8割が「隣の人の名前を知らない」

 隣人との関係はどうだろうか。引越時に「挨拶回りをしたら誰もいなかった」という回答が11.5%あったが、その後も80.8%が「隣の部屋に住んでいる人の名前を知らない」ままのようだ。

 「出かける際に、隣の部屋のドアが開く音が聞こえると、顔を合わせたくないのでちょっと待つ」(63.1%)という若者がいる一方で、「自分の玄関ドアののぞき穴から隣の人がどんな人かチェックした」(28.8%)という回答もあり、希薄な人間関係を保ちつつも隣人に対してまったく関心がないわけでもないという複雑な心理が推察できる。

「行ってらっしゃい」と言われると感動する

 一人暮らしを始めた結果、「静かなのが寂しくてテレビを点けるようになった」り(44.7%)、「テレビに向かって話しかけるようになった」り(34.2%)した人も存在する。また、36.3%が「部屋で、一人で誕生日をお祝いした」という。

 また、40.5%が「誰かに『行ってらっしゃい』と言われると感動するようになった」ほか、41.8%が「両親に対して優しくなった」という。アットホームでは、「一人で生活をすることが『親のありがたみ、存在の大きさ』を実感する大切な機会となっている」とまとめている。

 調査は、インターネットを使って2012年3月6日、7日に実施した。対象は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で賃貸物件に住む未婚の10代〜20代の男女それぞれ300人(計600人)。住居形態は、マンション(50.0%)、アパート(48.8%)、一戸建て(1.2%)となっている。

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