インタビュー
» 2012年07月30日 08時00分 UPDATE

僕は、だれの真似もしない:日本に再びイノベーションを起こせる人材とは? (2/4)

[まつもとあつし,Business Media 誠]

子どもだけでなく、両親の価値観も変えないとダメ

――2007年に創業したリアルディアで取り組んでいるのも、そういった現状を変えることが目的ですね。

リアルディア リアルディア

前刀氏: そのとおりです。世の中の価値観を変えるという取り組みです。著書やテレビ出演(朝の情報番組「めざましテレビ」で1テーマについて話すコーナーを持っている)を通じて、僕の考えをより多くの人に共有したいというのもその一環です。

――具体的にはどんな取り組みをされているのでしょうか?

前刀氏: 当初は、21世紀を支える子どもたちの感性や創造力、表現力を育むべくスクール事業に力を入れていました。ただ、それだけではスケーラビリティ(拡張性)がない、波及効果が小さいということに気付きました。

 いくらそこで良い刺激を受けてもらっても、家に帰ると両親の影響が大きくて、また元に戻ってしまう。そこで今は大人に向けての取り組みも行っています。

 企業向けの講演やワークショップを行い、親として、社会人としての価値観を変えるという両側面からのアプローチが可能になっていると思います。親子でイノベーションを体験できるようなアプリやサービスも開発中です。

――波及効果というのは重要なポイントですね。学校単位、会社単位ではそういった取り組みも徐々に行われていますが、その枠組みでは他所とのコミュニケーションの中で、例えば「イノベーションを起こそう」といった価値観を共有しづらいですから。

前刀氏: そうですね。組織や世代を横断するような取り組みでありたいと考えています。テレビで話をしているのも、「前刀の言うことを聞いてみてやろう」と思ってくれる人を増やしたいという思いからですね。聞く耳を持ってくれているかどうか、というのは大きいですから。本を読んでそういう人がまた増えてくれればうれしいですね。

――しかし、そうやってマインドセットが変化した人が、いざイノベーションを起こそう、枠を壊していこうとしても、自分が所属する会社や組織にそれを受け止められる環境がないと、辛い思いをすることもありそうです。

前刀氏: それはセミナーで必ずといって良いほど出る質問ですね。僕はそれに対して「大丈夫、僕が世の中の価値観を変えますから」と答えるようにしています。そうすれば、あなたももっと働きやすく、活躍できるようになりますよ、と。

 結局こういうものもiPod miniがそうであったように、大きなモメンタム(勢い)になるのですから。実は日本の会社の経営層もトップに行けば行くほど、こういった問題意識を持っているんです。

――俯瞰して見ていくと問題の本質は見えてくるというわけですね。

前刀氏: そう。でも、そこからちょっと下になるともうダメ(笑)。

――数字に追われているし、出世を巡る競争もあるし?

前刀氏: でもそこは変えていかないと。「自分たちのポジションすら実は危うい」、それくらいの強迫観念はもってもらっても良いと思っています。

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