インタビュー
» 2012年07月30日 08時00分 UPDATE

僕は、だれの真似もしない:日本に再びイノベーションを起こせる人材とは? (3/4)

[まつもとあつし,Business Media 誠]

イノベーターとは本来だれの真似もしない人

――自分たちの上の層が変わらないことにある意味で絶望し、見切りをつけて組織から離れる、フリーランスやノマドといった考え方にも注目が集まっています。

前刀氏: 大局的に物事を見て、自分がそこから何か新しい動きを作っていこうということであれば、応援したり、一緒に動いていったりしたいとも思います。ですが、「自分の生活さえ何とかなれば良い」ということでは困りますね。

 ほかにも「○○講座」「○○セミナー」といった広義のビジネススクールのカルチャースクール化が起きているのも心配です。経営者も「経営塾」が大好きだったりする。

 そこに行って自分を磨いてコトを起こすのではなく、そこに通うことが目的になってしまっている。ホントはイノベーターって「この中に自分と同じ事を考えている人が誰一人いない」ということに喜びを感じなければならないはずなのに。

――確かに。本来群れないはずですよね

前刀氏: 帰属することで安心感を得てしまう。もうそれはイノベーターじゃない。起業家セミナーに来る人なんかは絶対に起業できないのです。

――皮肉ですよね。しかし出る杭になって叩かれることへの恐怖がその背景にはあるのは間違いなさそうです。それに対する対処とは?

前刀氏: 諦めないことです。イノベーションを起こそうとすれば、理不尽な目に遭うことは避けられない。でも、自分の考えを持ち続けてさえいれば、どこかでチャンスは巡ってくる。そのときに踏み出す備えが出来ているかどうかということですね。人生は長いんですから、20代で諦めてしまうなんてもったいない。

――そして、いままさに「モメンタム」を作ろうとされているわけなので、そこに歩調を合わせてがんばりましょう、ということですね。

前刀氏: そのとおりです。もちろん、全員がリーダーやイノベーターになれるわけではない。それも事実です。でも、自分がそうではないからといって、世間や世界に対して受け身に回ってしまっては、人生は辛いものになります。

 自分の価値基準を持ち、能動的に考え、行動を起こしていかないと、周囲の環境は変わらない。自分の周囲をポジティブに見るか、ネガティブに見るかで数年後の結果が変わってくることは、本書でも触れたNECとサムスンのように企業活動においてさえ明確です。その差は歴然ですよね。

 ザッカーバーグなど成功した起業家が口をそろえて言う「リスクを取らないことが最大のリスクだ」というのは、つまりこういうことだと僕はとらえています。

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