10月27日公開の『旅の贈りもの 明日へ』は、489系電車の他に、福井県の各鉄道が登場する。ただ電車を移すだけではなく、そこに乗せたドラマも緻密だ。定年を迎え大阪から福井へ旅立つ男(前川清)、結婚前の悩みを抱えて名古屋から福井へ向かう女(山田優)、東京から福井へ夢を失ったバイオリニスト(須磨和声)が向かう。同じ時、同じ福井県で、3人の旅が同時に進行する。やがて帰路につくそれぞれの心に、どんな「明日への贈りもの」が生まれるのか。鉄道の魅力を描きつつ、旅情が心に染み込む物語となっている。
(つづく)
1973年、三船プロダクションに入社。1978年よりフリーの製作担当になり、テレビドラマ「太陽にほえろ」「大都会」「Gメン」「赤いシリーズ」ほか、東映東京撮影所の劇場用映画を担当。
1994年からプロデューサーとして活躍中。主な作品は『星守る犬』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『旅の贈りもの 0:00発』『恋空』『T.R.Y.』など。
- そして「交通弱者」は救われたのか
ローカル線問題になれば「交通弱者」という言葉が出てくる。この言葉のお陰で「交通政策は弱者救済のため」と勘違いされ、その結果、「自分には関係ない」と無関心になる人が増える。交通政策はあらゆる人のためにあるというのに。
- 「のんびりゆったり」はローカル鉄道を潰す
大都市に住む人にとってローカル線といえば、「都会の忙しさを離れてのんびり」というイメージだろう。それは「旅」の発想であって「生活」の発想ではない。ローカル鉄道の再生には「生活路線」としてどうあるべきかを考えなくてはいけない。
- 中国高速鉄道で、また事故が起きるかもしれない
2011年7月23日、中国浙江省温州市で起きた高速鉄道の転覆事故から1年が経過した。中国政府は市民の批判を恐れて報道を規制しているという。しかし、本当に恐れるべきは批判ではなく、事故の再発だ。
- 鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ
SL、ブルートレイン、鉄道オタク現象など、いくつかの成長期を経て鉄道趣味は安定期に入った。しかしコミックやアニメと違い、鉄道ファンは鉄道会社にとって悩ましい存在だ。その理由は……。
- 「青春18きっぷ」が存続している理由
鉄道ファンでなくても「青春18きっぷ」を利用したことがある人は多いはず。今年で30周年を迎えるこのきっぷ、なぜここまで存続したのだろうか。その理由に迫った。
- なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか
鉄道の未来は厳しい。人口減で需要が減少するなか、格安航空会社が台頭してきた。かつて経験したことがない競争に対し、鉄道会社はどのような手を打つべきなのか。鉄道事情に詳しい、共同通信の大塚記者と時事日想で連載をしている杉山氏が語り合った。
- JR東日本は三陸から“名誉ある撤退”を
被災地では、いまだがれきが山積みのままだ。現在、がれきをトラックで運び出しているが、何台のトラックが必要になってくるのだろうか。効率を考えれば、鉄道の出番となるのだが……。
- 向谷実氏が考える鉄道と音楽(前編)――発車メロディ3つのオキテ
「カシオペア」のキーボーディストにして、リアルな鉄道ゲームソフトの開発者でもある向谷実氏が、ここ数年作曲家として取り組んでいるのが駅の「発車メロディ」だ。「ただベルがメロディに変わっただけではない」という向谷氏が考える“あるべき発車メロディ”の姿とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.