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» 2012年12月24日 10時00分 公開

3秒で面接の合否は分からない――就活都市伝説に隠された、本当の意図サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(3/3 ページ)

[サカタカツミ,Business Media 誠]
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就活都市伝説は、本当の問題のありかを覆い隠す

 正直に書いてしまうと、新卒採用という仕組みは、企業にとってとても効率が良いのです。働きたいという人が一定数まとまっている、しかも、学校名というレッテルが貼られていて分かりやすい、さらに初任給という企業の中で最低限の給料で働かせることができる。安価で良質な労働力が目の前にあり、今まで培ってきたシステムで、サクッと採ることができる。そんなシステムを企業が放棄するとは思えない。3割の早期離職者も、そういうシステムの中から生まれているのかもしれませんが、その離職者を出してでも、効率を優先したいと考えている企業は少なくありません。都市伝説のようなものに振り回されていると、企業の隠された本音を見落とす可能性があります。以前、採用担当者に取材をした時に、こんなやり取りになりました。

 早期離職者の多くは「社風が合わない」もしくは「やりたいことをやらせてもらえない」という理由で退職します。要はミスマッチですが、それを防ぐ方法はない。例えば、厳しい会社だと社風をリアルに伝えたら、学生は集まらず内定辞退者が続出するでしょう。やりたいことができないのが社会だと、正直に言う企業に就活生たちは集まらない、それで企業側が選べない状態になるくらいなら、学生に「話が違うよ」と言われても「それが社会というものだから」と、配属の後にうそぶくほうが、仕事としては楽だ。だって、どうせ3割は辞めるんですから、織り込み済みですよ……。

 こう考えている採用担当者は1人や2人ではありません。おそらく、就活都市伝説の裏にある、多くの採用担当者たちの本音の部分でしょう。ただ、上手に本音を隠されると、少なくとも就活生には見ることができなくなる。

 もう一つ、「説明会などで離職率などを質問する学生は疎まれる」という話も、ここ最近、就活生の間で急激に流通量を増している情報の一つです。企業が答えにくい質問をしても意味がない、そういうネガティブな質問をする学生はやる気を疑われる、そもそもそういうことを気にして働くなんてオカシイ、という、識者たちからのアドバイスがセットになって、就活生たちにシェアされているのです。

 「働くとは、社会に出るということは、そういう側面もある」などと、滔々(とうとう)と語っている採用担当者たちを見ていると「ああ、問題とも思っていなし、解決する気もないのだな」とうんざりします。そして、そういう人たちに就活生は騙されないようにして欲しいなと、新卒採用の周辺に身を置く1人として、ここでネタばらしをすることで、就活生の援護射撃をしたいと思うのです。

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