人事部による採用はもう要らない?――ソー活はなぜ「気持ち悪い」のかサカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(1/3 ページ)

» 2013年01月14日 08時00分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

連載「就活・転職のフシギ発見!」とは?

 就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。

 使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』がある。

 個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


 「前回食べて感動したカニのレストランに行ってみたら、今回もやっぱり美味しかったです」「さすがにこちらのカップ麺は大きいサイズですよ!」――メールはいつも妙に楽しそうなのですが、編集長の吉岡綾乃さんは、正月休み中もずっと米国にいて、いろいろな取材をしていたようです

 決してフードライターではない彼女がなぜか食べ物の写真を撮り、送ってくれるわけですが、それを見ながら綾乃さんはいったい何の取材をしているのだと思いつつ、先週の続きの話をつれづれと考えていました。「新しい就職活動」が幕明けるのって、意外に専門家じゃない人たちがキッカケになるかもしれない。……と、ちょっと無理目なマクラの振り方をして、今週もスタートするのです。

米国のパンケーキは、5枚重ねが普通なんでしょうか……(写真と本文は関係ありません)

 →「ソー活」は本当に効果があるのか――採用担当者の視点

企業のソー活は「素行調査が目的ではない」のですが

 先週、ソーシャルメディアを通しての就職活動、いわゆる「ソー活」が盛んになり始めているという話を書きました(参照記事)。記事アップ後のネット上での反応を見ていると「ソー活なんて言葉、気持ち悪い」という感情的なものから「ソーシャルメディアでの素性など、いくらでも偽れるのだから意味がない」という話、はたまた「そうはいっても企業の採用担当者は素行調査的な意味合いでソーシャルメディアを使うことが多い」というものまでいろいろとありました。どちらかというと否定的なリアクションが多数を占めていたように感じます。「素行を見るためにSNSチェックする採用担当者がいるというのは都市伝説のようなもの」だと書いたのですが、どうやらあまり信じてもらえなかったようです。

 実際に採用担当者に話を聞くと「それは見ますよ。だって、犯罪行為を自慢げにソーシャルメディアにアップしている人を採用したい、という人は誰もいないと思いますが」というもっともな反応。ただし、多くの人が心配するような、プライベートで悪ふざけしている写真を見て「あれ、面接での印象とは違う」というようなチェックではないとのこと。しかし、ソー活という言葉にネガティブな反応をする人たちは、そういう類いの話を警戒するのと同時に、交遊範囲の広さやボランティアなどのアクティブなイメージか伝わる様子が分かる写真をアップする必要があると、うがった見方をしているようなのです。ただ、そういう見方をしてしまう気持ちは、分からなくもありません。

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