なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した仕事をしたら“就活生の動き”が見えてきた(前編)(4/7 ページ)

» 2013年02月20日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

就活生の傾向を分析

リク:就活生の行動を文系・理系別で見たところ、理系は「機械・電機系のメーカー」と「化学・材料系のメーカー」を同時に検討する人は少ない。しかし文系でメーカーを希望する学生は「機械・電機系のメーカー」と「化学・材料系のメーカー」のどちらも検討している。つまり、「機械・電機/化学・材料」といった業界のくくりではなく、「BtoB」か「BtoC」のくくりで検討するケースが多いですね。

 また理系の学生にとって「福祉関連業界」と「レジャー・アミューズメント業界(パチンコやゲームセンターなど)」は近い関係にあるんですよ。ほかにも「化粧品」と「医薬品」などが近い。

土肥:化粧品の会社を志望している学生は、医薬品も狙っていて、両方にエントリーをしているということですね。

リク:はい。そうした人が多いということですね。

土肥:いやー、面白い、面白い。「勤務地」と「業種」をかけあわせて、学生の傾向を分析することもできるのですか?

リク:できますね。例えば、直近の行動からは「北海道のエステ・理容業界」に興味がある学生は「北海道の化粧品業界」を志望するケースが多い。

土肥:ほかには、ほかには?

リク:これ以上は勘弁してくださいよー。企業秘密がなくなっちゃうじゃないですか(笑)。

土肥:そこは“就活生を救う”と思って、もうちょっとだけ。

リク:では、もうひとつだけ。「兵庫のエステ・理容業界」に興味がある学生は「兵庫の化粧品業界」ではなく、「大阪のエステ・理容業界」を志望する人が高いですね。

土肥:それはなんとなく分かりますねえ。奈良で美容院を経営している人がこんなことを言っていました。「以前は大阪で美容院をやっていたのですが、そのときは求人で困ったことがありませんでした。多くの学生さんは『大阪で働きたい』と思っているのでしょうね。でもいまは奈良で求人を出しているのですが、なかなか応募してくれません」と。

リク:興味深い話ですね。

多変量解析を用いて、業界ごとの関係性を可視化した(理系)

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