土肥:撮影は、2012年12月に開催された全日本プロレスファン感謝デーのイベント終了後に行われたそうですね。
山田:寺島さんと長州さんだけの試合をする、ということも考えました。しかし実際にプロレスの試合をしたあとのほうが、会場に熱が残っていて盛り上がるはず。そんな話をスタッフとしていて、全日本プロレスのファン感謝デーが終わったあとに、撮影をすることにしました。
ファン感謝デーが終わったあとに、撮影用のセットチェンジに30分ほどの時間がかかったのですが、リングにプロレスラーの武藤敬司さんが登場してくれたんですよ。そして観客に向かって「お前ら、残ってくれるよな!」などと言ってくださったので、会場のボルテージは冷めないまま、寺島さんと長州さんの試合を行うことができました。
土肥:さきほど「基本的に仕込みはなし」と話されていましたが、長州さんのラリアットを寺島さんはまともに食らって、ノックアウトされました。リハーサルをしていないと、あれほど見事に倒れることはできないのではないでしょうか?
山田:リハーサルもしていません。ガチンコです! なので、本当に心配したんですよ。おっしゃるとおり、ラリアットを受けた寺島さんは大の字になって倒れました。スリーカウントされて試合に負けて……そのあとしばらく立ち上がることができなかったので、ハラハラしました。後楽園ホールにいる観客は「うおーーっ!」「うおーーっ!」といった感じで盛り上がっていたのですが、私たちは寺島さんの倒れている姿を見て、「た、た、立つよね……き、きっと」「だ、だ、大丈夫だよね……き、きっと」といった感じでした(笑)。
土肥:寺島さん、大丈夫でしたか?
山田:はい。実は、試合の1カ月半ほど前から、毎朝、寺島さんは自主練をされていました。また自主練だけでなく、全日本プロレスのカズ・ハヤシさんが特訓してくれたんですよ。
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