ただ、だからといって、夫から給料を吸い上げる奥さんたちがすべての諸悪の根源かというと、そういう単純な話でもない。
「ママ友地獄」なんて言葉が最近流行しているように、専業主婦のみなさんはみなさんで、命を削るようなハードなストレス社会の中に身を投じている。かつて言われたように「昼間からゴロゴロ」なんて人は少なく、人間関係や育児で追いつめられ、外で働く夫と負けないほどすり減っている人も少なくない。
「結婚=幸せ」であるにもかかわらず、どちらも「幸せ」に見えない。ただ、日本社会ではこれが「幸せ」とされている。それを否定すると、なにかのタブーに触れてしまったかのように社会全体で潰しにかかる。なにかこれっておかしくないですか、ということを深尾さんは言っているだけだ。
「幸せ」とされている手順を踏んでいるはずなのに、なぜこの社会はこんなにも生きづらいのか。もしかしたら、「幸せ」とされていることがまやかしで、システムエラーによる歪みがあるのではないか。
そんなことを考察している本なので、本当は「タガメ女」という響きにイラッときた人にこそ読んで欲しい。ま、たぶん無理だろうけれど。
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