田原:テレビってね、不自由だから面白いんだよ。テレビはまず総務省の管轄だろ? テレビを管轄する放送法を気にしないといけない。で、スポンサーにも気を使って、視聴率も気にしないといけない。「縛られてばかりで、なんにも自己表現できないじゃないか」とよく言われるんだよね。でもね、僕から言わせればそこで表現するのが面白いわけなんだ。なんでもできるんじゃ面白くない。原っぱで裸踊りしたってつまらないでしょう(笑)。がんじがらめに縛られた中でどう踊るのか、というのがテレビの醍醐味だと思うね。あと、実はテレビに明確なタブーなんてないんですよね。タブーがあると思っている人が見ているから、それをタブーに感じるだけで。
水道橋:歴史的に見てもタブーなんてないですよね。昔からタブーなんてないんだけど、教育の中で「タブーについては扱っていけない」という同調圧力を学歴社会の中に植えつけるからあるように感じるだけで。そういう考えの人に言いたいですけど、「あなたがタブーだと思っていることに前例がないと思いますか?」と。ありますよ! 田原総一朗ひとり見たって、こんだけタブーを破ってるんだから(笑)。
田原:みんな無難になろうとしすぎているね。無難じゃ面白くないよ。著作権にもそういうところがあるでしょう。まずポーンと投げてみて、それがどう作用するか考えたほうがいいんじゃないですか。
水道橋:ただ著作権に関して言えば、今の時代に合っていない法律があるせいで、そういう「まずやってみる」みたいなことに対して萎縮効果みたいなものは出てきているんじゃないですか?
田原:萎縮効果って出てるんですか。
――ネットに違法でアップロードされた動画を、違法と知りながらダウンロードすると警察が逮捕できるような法律が最近できたんです。
水道橋:俺、自分が出た番組がアップロードされたYouTubeのリンクをTwitterで流すんだけど、それも違法なんですか?
――リンクだけならとりあえず大丈夫ですね。その先にある動画を見ることも大丈夫です。ただしそのリンクを流す行為については現在議論が行われていて、違法にアップロードされたテレビ番組のリンクを紹介するような行為は違法にして、そういった書き込みを削除させようという提案もあります。
田原:もしYouTubeで逮捕なんかされようものなら、テレビで大反対運動を起こしたいね。
水道橋:例えば「2ちゃんねる」なんかものすごく問題はあるけど、「2ちゃんねる」がない世界のほうが絶対怖いじゃない。ああいったカオスな場所がないとダメだって。
田原:Web上の情報が増えることは自体は、全然悪いことだとは思わないけどね。
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