やりたいことはハッキリしている。しかも、ある意味でとても優等生な内容です。人の役に立つ仕事、世の中をより良く変える仕事だなんて、子供みたいだと言う人もいるかもしれません。でも、小さい頃はそういう仕事が素晴らしい、そういう仕事に就くべきだと、いろんな大人から教えられてきたはずです。自分が「この仕事だったら人の役に立っていると実感できる」仕事を探して、ハローワークに出かけてみたけど見つからないと、ニート君はボヤいているのです。
ニート君は続けます。自分は金持ちにもなりたい(将来的には、年収750万円希望だと明言していました)けど、それ以上に、感謝されてありがとうといわれる仕事がしたいし、それは他の誰でもない「自分が」ありがとうと言われたいと力説します。同時に、アルバイトでもちゃんと評価されている、今までやってきた仕事だって実績は出した。働かせてくれたら仕事はできるのに、でも働く場所が見つからないんだよな、俺……と意気消沈してしまいました。そこで、内々定が出ている友人がアドバイスを始めました。
「大事なことは仕事に就くことだろ? 自分ができることは何か。それを考えて、能力というか自分が入れるところを探すのが大切なんだって。その上で、その企業に合わせた志望動機をそれぞれ作ることだよ。自分がやりたいことや、やってみたい仕事だと企業に思わせるために、ちゃんと話が伝わることが肝心なんだよね。そのためには企業のことをちゃんと調べて、その企業が何をやっているか……」
店がもっと騒がしくなったので、この後はよく聞こえなくなってしまいました。察するに、就活生らしい現実的な、そしてきわめて有効なアドバイスをしていたようです。自分の能力(この場合は学歴や職歴も含まれるでしょう)をちゃんと見極めて、まずは入れそうな「会社」を探すこと。そして、その会社を調べてから、その会社に「合わせた」志望動機を作ること。
就活生にとっては、日常的にやっているごくフツーのこと。キャリアアドバイザーなる人たちも、おそらく似たようなことを助言するはずです。しかし、ニート君には納得がいかなかったらしく「それは無理だな、俺」「お前ら、それできるのってスゲーな」と繰り返していました。
サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:企業は若手社員に「我慢すること」「実行力」を求めはじめている
「キャリアアップ」のために会社を辞める若手社員の本音とは
サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:「真面目に勉強しているのに評価されない」就活生には2タイプいる
サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:あなたの仕事は、誰かの「困った」を「良かった」に変えていますか?
サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:「いつかは転職したい」では転職できない理由
サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:35歳で「初めて就職する」ことの困難さを、改めて考えてみたCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング