「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”」
参議院選挙が終わった。大方の予想どおり、自公の圧勝、民主惨敗、低投票率という結果である。これで衆参ねじれが解消し、政治が安定するとされている。
東京選挙区で当選した山本太郎氏が当確直後のインタビューでこう語ったのが印象に残っている。「これはほんの入り口。これからがいばらの道」。反原発一本で組織もなしに戦ってきた山本氏にとっては、国会そのものが「敵」に見えているに違いない。四面楚歌といってもいい。
しかしこれから本当のいばらの道を歩かなければならないのは安倍首相、その人である。ねじれを解消した以上、物事が進まないのを野党の責任にすることはできなくなる。
問題は山積している。内政では、デフレからの脱却、成長戦略を実現するための規制改革、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉、消費税引き上げの決断、社会保障改革、財政再建の道筋、普天間基地の辺野古への移設、議員定数削減、原発再稼働。外交では、ロシアとの領土を含む平和条約交渉、中国・韓国との関係修復。それに集団的自衛権。
どれを取っても、一筋縄ではいかない問題である。それに、どれを取っても与党が一枚岩ではない問題なのだ。
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