インタビュー
» 2013年08月08日 08時08分 公開

仕事をしたら“会社に足りないモノ”が見えてきた:コカ・コーラのようなマーケティングが、日本でできない理由 (4/7)

[土肥義則,Business Media 誠]

「機能面」と「価格」で勝負する日本企業

土肥:企業価値を高めていかないと、グローバル市場に負けてしまうと?

山崎:競合他社に負けるということは、消費者から“選ばれない”ということです。例えば、アップルだと「アップルだから買う」という人が多いですよね。アップルのような世界観をつくっていかなければ、日本企業はいつまでたっても「機能面」と「価格」――この2つで勝負しなければいけません。この2つで挑むと、短期間で決着がつきます。その勝負に勝てばいいのですが、勝ってもまたすぐに勝負をしなければいけません。もちろん「機能面」と「価格」だけで。

土肥:なぜ日本企業は企業価値を高めようとしなかったのでしょうか?

山崎:日本には高度経済成長期があって、バブル経済を経験してきました。モノを出したら、売れる。モノを知ってもらったら、売れる。そんな時代が長く続いてきました。しかし長引く不況で、消費者の財布のヒモが固くなり、モノを出しても売れなくなりました。そして、モノを知ってもらっても、売れなくなってしまったばかりではなく、最近はモノも情報も溢れています。にもかかわらず、企業は同じような方法で広告を展開してきました。

土肥:つまり、成功体験が邪魔していると?

山崎:そうですね。また日本企業は技術志向が強く、「いい商品をつくれば、売れる」といった考えに偏りがちでした。ただ、今の時代は「いい商品」をつくっても、すぐに他社が追いついてきます。その結果、先に述べた「機能面」と「価格」で勝負せざるを得なくなりました。もちろん技術力がなくてもいい、といった話をしているのではありません。技術力は必要です。しかし、それだけだと競合他社との差別化が難しくなります。

土肥:「グローバル」という言葉が使われるようになって、日本企業も「海外に出なければいけない」といった雰囲気になっていますよね。それでもまだ、企業価値を高めようという動きにはなっていないわけですか?

山崎:転機はありました。

土肥:いつですか?

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