なぜ豪華列車「ななつ星in九州」に傷がついたのか杉山淳一の時事日想(4/4 ページ)

» 2013年10月11日 08時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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 もちろん、これらに比べて九州の魅力がないとは言わない。私は学生時代、ドイツのローレライを訪れ、その3カ月後に肥薩線から球磨川を見た。灰色のローレライより、緑豊かな球磨川で、筏(いかだ)がのんびり通り過ぎて行くほうがずっといい。海外旅行に傾倒する人は、日本の風景も見てほしい。それにしても、77万円はどうかと思う。私には縁遠い料金だけど、富裕層なら許容範囲だろうか。

 JR九州はもちろん、今までと同じ内容で77万円とはしないだろう。専任の添乗員をつけるとか、1泊2日と3泊4日を組み合わせて、九州一周の旅にするかもしれない。しかし、相場より高額な料金で参加者が集まらなかった場合、値下げを余儀なくされるだろう。「ななつ星in九州」にとって、ディスカウントはブランドイメージを傷つける。車体の傷よりも、後々まで響くのではないか。値上げにあたり、JR九州はどんな形で魅力をアップさせるのか。これもまた楽しみである。

ななつ星in九州の第3期、1泊2日コース(出典:JR九州)


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