PER(株価収益率)とは「株価÷1株あたりの利益」のことです。PERが低ければ低いほど、企業が稼ぐ利益に対して株価が割安であるといえます。業種にもよりますので比較は難しいですが、20倍程度のPERが妥当ではないかと言われています。ネットなどの株価検索ツールでは、このPERが表示されていますので参考にしてくださいね。
PBR(株価純資産倍率)とは「株価÷1株あたりの純資産額」になります。PERと同様にPBRが低ければ低いほど、株価が割安であるといえます。一般にPBRが1倍以下だと企業が保有する純資産の額より株式時価総額のほうが安いので、割安といえるわけです。
投資金額に対していくらの配当が得られるか、株価に対する年間配当金の割合を示す指標を配当利回りといいます。1株あたりの年間配当金を、今現在の株価で割ったものです。昨今は企業の方向性として、利益がでたら株主に還元するという気運が高まっていますので、この配当利回りに期待しつつ注目してくださいね。堅調で高配当の株を運用することは、急な出費を余儀なくされた際に、みなさんの家計を助けるリスクヘッジになるかもしれませんね。
IPOとは、Initial Public Offeringの略です。日本語にすると「最初に公開する」「提供されるもの」「新規公開で売られるもの」といった意味で、新規公開株を指します。それまで日本国内で非上場、非公開だった株式を新規に上場し、市場に新しく株式を供給するのがIPOなのです。
株式上場にあたっては、2つの資金調達方法があります。新たに株券を発行して資金調達をする「公募」と、上場前に株主が保有している株式を売り出す「売り出し」です。通常はどちらも行うことが多いようです。そしてその株式が売り出される、つまり投資家に分配されるわけです。
株主を一定数以上増やすということが、株式の上場条件に含まれています。株式上場には、成長に必要な資金の調達ができる、企業の知名度が向上して人材の採用につながるなどのメリットがあります。確かに近ごろは就職活動の際にIR(投資家に向けた企業の公開情報)などをしっかりチェックする学生さんも増えていますよね。
新規公開株を購入して株式投資をしたい場合には、証券会社の店頭やホームページ、日経新聞などでその情報を調べましょう。新しく上場することになっている企業について事業内容を知るためには、目論見書で確認することもオススメです。目論見書とは、企業の業務内容や財務内容などが記載された書類で、上場の引受証券会社の店頭などで入手することができます。
IPO、つまり株式公開というのは、会社の株式をオーナーなど、ごく一部の株主が独占している状態から、株式市場において多くの一般株主が自由に売買できる状態となることを意味します。それによって、経営の透明化にもつながりますね。
投資家にとってのIPOの魅力はというと、高確率で公募価格より初値が高くなっていることでしょうか。取得のときに手数料がかからないことや、上場後に株価が飛躍的に上昇する銘柄が多いこと、歴史の浅い企業なら、業務内容の急拡大が期待できるなど、さまざまなメリットがあります。しかし一方で、株価が落ち着くまで時間がかかることや、規模が小さい企業の場合には業績の変動が把握しにくいなどの短所もあります。
ネット関連株は2003年から2006年ごろまでのIPOバブル期に元気だった印象もあり、いまも人気があるようです。ひところ人気を集めたグリーなどのソーシャルゲーム業者やネット通販業者などのイマドキっぽい銘柄は賑わいがちでしたが、これは将来的に伸びるだろうと期待されていたわけですね。ネット関連業界は国内で需要が賄えるので為替の影響も受けにくいですし、景気にも左右されにくい、いわばディフェンシブ(手堅い)っぽい銘柄なのかもしれません。
ちなみに、高級バッグで有名な米国のCoachは2011年、香港預託証券(HDR)を上場させました。同社は2000年10月、すでに本拠地のニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場デビュー済みです。この香港での上場では、通常の上場と異なり、一般投資家向けのIPO公募は行われませんでした。このように海外で高い評価をされている企業や、海外で知名度を上げたい企業は、海外市場での上場に積極的なのです。
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