韓国企業が北朝鮮の労働者を雇う「開城工業団地」で、労働者に給与とは別に韓国製のチョコパイを配ったところ、あまりのおいしさからまるで通貨のように流通しているという話がありました。闇市場では米などと交換もできて、レートもそれなりに決まっているそうです。
一方、北朝鮮の通貨「ウォン」は2009年のデノミ(通貨単位の変更)で突然、価値が100分の1になりました。それなりの思惑があって行われた経済政策ではありますが、これは世界中から大失敗だったと分析されています。北朝鮮の例に限らず、例えばジンバブエの通貨「ジンバブエドル」はハイパーインフレによって価値を失って紙くず同然になり、今のジンバブエでは米ドルや南アフリカランドが使われています。現金といえど、その価値は絶対ではないのです。
……ということは、北朝鮮ではウォンを貯めるよりもチョコパイを貯めこんだ方が“金持ち”になれるということなのでしょうか。賞味期限の心配はありますが、お金と違って急に価値が切り下げられることはないし、いざとなれば食べられるし、おいしいし……。
昔、経済関連のドラマや小説などで、株券を印刷して「札束を刷っているようなモンだ」と豪語する経営者の姿が描かれていたことがありますが、もしもチョコパイを製造している企業の経営者が「お金を作っているようなモンだ」と高笑いしていたら、何だかとても……、シュールですね……。
筆者は新興国の通貨の1つである南アフリカのランドを少し持っていますが、買ったときのほぼ半値になってしまいました。為替レートは大きく動くときもあるのです。この通貨を持っていれば絶対に安心だ、というものはありません。誰かの教訓になればいいなと、ここに涙とともに書き残しておきます。
エンゼルパイかチョコパイかと言われたら、チョコパイ派。お菓子で人に仕事を頼めるならそうしたいデス……
本連載『カブ・ジェネレーション』が単行本『新感覚投資コメディ 株に恋して』(中経出版)となって、2013年11月26日に発売しました。ハゲタカくんのスピンオフや作者自身のしょっぱい過去、オススメ(?)優待情報などなど、本でしか読めない描き下ろしも盛りだくさん。あずさとはるかの投資を巡るドタバタコメディ、どうぞお楽しみください!
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著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)、『国会萌えコメディ 政界のまんががこんなにユルいわけがない』(集英社)。ぷら@ほ〜むで『国会萌えコメディ政界のまんががこんなにユルいわけがない』を連載中。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。カブ・ジェネレーション単行本『新感覚投資コメディ株に恋して』(中経出版)が2013年11月26日に発売。「ハゲタカくんの華麗な日常」ほか描き下ろし漫画もたくさん。
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