なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか仕事をしたら“アイス”ができた(2)(3/6 ページ)

» 2014年05月21日 07時07分 公開
[土肥義則Business Media 誠]

ソフトクリームは売れなかった

土肥: ソフトクリームのブームがきてるし、コンビニで販売したら売れるだろう、と見込んだわけですね。結果、爆発的に売れて、今では看板商品になったわけですね。

山盛: いえ、ハッキリ言って、売れませんでした(涙)。売れない時期が長く続いたので、「もう止めようか……」という話になりました。でも、当時の担当者が「ここであきらめてはいけない。競合他社はどこも販売していないので、ソフトクリームの品質をアップすれば、必ず売れる」と言いました。

 そして、1991年に乳原料の配合率をアップさせ、ミルク感の強いバニラにしました。それがものすごく売れて。

土肥: えっ、ということは、最初のソフトクリームは苦戦していたにもかかわらず、10年以上も我慢していたわけですか?

山盛: ソフトクリームをつくる機械は変更しましたが、味を変えたのはこのときが初めてですね。

土肥: 「四半期中に結果を出せ!」という企業が多い中で、よく11年間も我慢しましたね。それにしても、「品質をアップさせて売り続けよう」という決断は大きいですね。繰り返しになりますが、今では「ミニストップ=ソフトクリーム」のイメージが強い。コンビニ業界は大手3社が強い中で、いまミニストップにソフトクリームという武器がなければ、なかなか存在感を示すことができなかったのではないでしょうか。

山盛: でしょうね。

ミニストップ1号店の大倉山店(現在は閉店)

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