20〜30代の人に伝えたいことは? SBIホールディングスの北尾社長が語る働くこと、生きること(後編)(3/3 ページ)

» 2014年05月23日 08時00分 公開
[印南敦史,Business Media 誠]
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最後の仕事として貢献したいのは、人類の健康の増進

 北尾さんは、この1月で63歳。論語でいうところの「六十にして耳順(みみしたが)う」(他人の意見に素直に耳を傾けることができるようになる)歳である。そのようないま、今後はどんな事業を進めていきたいと考えているのか?

 「それについてはハッキリしているんですが、私が代表を務めるSBIグループにはオンライン証券・銀行・保険などのインターネットをベースとした金融業・投資業・バイオ事業の3つの事業があります。その中でインターネット金融業・投資業に関しては、世の中の時流に乗っている事業ですので、部下たちによって自然に伸びていくでしょう。

 私がこれからやらなくてはいけないと思っているのはバイオ事業です。今、SBIグループには医薬品の研究開発をすすめる『SBIバイオテック』『SBIファーマ』『SBIアラプロモ』という会社があります。その中でもSBIファーマが研究を進めている、体内で作られるアミノ酸の一種であり、生命の根源物質と言われている『ALA』(5-アミノレブリン酸)が人間の老化やさまざまな病気に関わっているということも次第に分かってきました。この『ALA』などの研究を続け、人類の健康の増進に少しでも役に立てればと考えています。

 バイオ事業を軌道に乗せた後は、やはり社会貢献として『公益財団法人SBI子ども希望財団』と私が創設した社会福祉法人『慈徳院』という被虐待児のための子どもの心のケアハウスでの活動や、『SBI大学院大学』を設立していますから、そこで日本の未来を担う若者を育成する。そういうことに全力を尽くしていこうと思います」

 実業家としてなすべきことは、まだまだ数多い。

印南敦史(いんなみ・あつし)

 1962年東京生まれ。ライター、編集者、コピーライター。人間性を引き出すことに主眼を置いたインタビューを得意分野とし、週刊文春、日刊現代、STORYなどさまざまな媒体において、これまでに500件におよぶインタビュー実積を持つ。また書評家でもあり、「ライフハッカー」への寄稿は高い評価を得ている。


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