混雑していても、並ばずに買える──スマホアプリとBeacon機能を用い、「客も店も、これまでとは違う」飲食店の新しい形態を提案するO2O施策に注目が集まっている。
スマホアプリ「O:der」を軸にした店舗向けソリューションを開発するShowcase Gigと、ハンバーガー店the 3rd Burgerを展開するユナイテッド&コレクティブが、スマホのみで完結する注文システム「スマートオーダー」を共同で開発。「the 3rd Burger アークヒルズサウスタワー店」に導入した。
スマートオーダーは、「混雑時にも行列に並ぶことなく料理を受け取れる」をウリに、スマホで注文と決済を完結させる店舗向けの新オーダーシステム。客はスマホアプリ「O:der」を用い、店へ行く前に事前オーダーし、混雑時も店舗で並ばずに商品の受け取りと決済ができる。来店などで貯まるデジタルスタンプにより、商品クーポンなどもアプリから受け取れる。
導入店舗も、客を“待たせない”差別化サービスの提供、注文システムを簡略化できる店舗オペレーションの容易化、Beacon機能などで近距離にいる見込み客への効果的な誘致、電子チラシやデジタルスタンプ化による販促コストの削減、そしてデジタル化によって顧客の行動履歴を蓄積し、活用できる──などを可能とし、「これまでの販促と店舗オペレーションを劇的に変える」をアピールポイントに据える。試験運用では、昼のピークタイム1件あたりの注文処理速度を従来の2倍以上に高める結果が得られた。
店には、iOS 7以降のiPhone、iPadなどで使えるBeacon通知システム(iOS機器は「iBeacon」と呼ぶ機能名称で展開)も設置。数センチ〜10メートル以内の特定の人へピンポイントに通知(認識)できることを生かし、客の来店をスタッフへ通知、近くにいる見込み客の誘導(情報をプッシュ通知)、デジタルスタンプやクーポンの付与などに使う。レジ横には通信距離を数センチほどに狭め、NFCと似た感覚でタッチ(かざ)して識別できるタッチ式Beaconシステム「MyBeacon touch」(アプリックス開発)を導入。NFC機能を備えないiPhoneでも同様のサービスを提供できるようにした点を推す。
O:derアプリは無料ダウンロードが可能。iOSデバイス(iPhoneなど)とAndroid(Android版は2014年7月上旬に公開予定)に対応する。
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