一方でロシア・トゥデイの記事には、「近代日本は、米国化と米国的な『反男性(男性が作り上げている)』という文化が将来どうなるのか示した悲しい例である。日本文化のほとんどが『米国90%+日本10%』であり、みんな見て分かる通り、このニュースがまさにその結果である」といったコメントも寄せられている。
このように、そもそも日本の文化を誤解していると思える意見も少なくない。欧米では日本の“変なニュース”が取り上げられることが多く、そういう情報に触れて、偏ったイメージを抱いてしまっている人も少なくないからだ。
例えば「なんだか彼らは、昼間は抑圧され、夜になるとみんな変態になってしまい、使用済みの女子生徒の下着を手に入れたり……もっと深刻なことをするようだ」という意見もあったが、さすがに日本人すべてがそうだと思われてはたまったものではない。
こうした情報を世界に提供しているのは欧米メディアの東京在住「外国人特派員」だ。ただ、知り合いの東京特派員たちに話を聞くと、決まって「俺たちもそんな記事は書きたくない」という答えが返ってくる。
ある特派員はこう嘆いていた。「結局、日本関係の記事でアクセスがあるのは『日本って変な国だよな』という話。だから本土の編集者もそういう記事を求めてくる。読者が求めているから。本当はもっと世界的に意味のある記事を書きたいんだけどね……」。そのため、バブル崩壊以降、日本発のニュースは“変な日本人”をテーマにしたものが多くなったという。「日本は変な国」――残念ではあるが、これが今の日本に関する世界的な事実とも言える。
ちなみに、読者のコメントには日本人が読んでも一理あると思える意見もある。ある読者は「福島は今も被災地であり、後片付けはひどく失敗し、避難民は厳しい環境にいるが……ああそうだ、この逮捕は納税者のお金の有意義な使い方のようだね」と手厳しい。
ガーディアン紙にもこんなコメントがある。「日本から他には何も報じることがないというわけでもないだろう。安倍首相は日本が米国の戦争にさらに軍事的に貢献できるように憲法解釈を変えるのに忙しかったりするのに、ガーディアンが懸念するのはプラスチック製の女性器なのか」。
もっともなご意見だ。特派員たちもそう思っているかもしれない。だが、こんな立派なコメントをしているこの読者も、まんまと記事をクリックさせられてしまったに違いないのだが。
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