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» 2014年09月12日 07時00分 公開

東京マラソンでブーム再燃。日本のランニング人口は1000万人を突破なぜ人は“動く”のか(2/2 ページ)

[本田哲也, 田端信太郎,Business Media 誠]
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Q:1000万人を動かすとなると、100万人以上に時間がかかるものと覚悟したほうがいいでしょうか?

本田: 1000万規模になると、明確に一定以上の時間はかかります。ただし、一度動き出すと自己増殖のメカニズムもはたらきやすい。

田端: 100万人規模だとメディア越しに「流行っているらしい」と知る程度ですが、1000万人規模では身近なところで目撃するようになる。参加者を目のあたりにすることで、「参加したい」というスイッチが入りやすくなる。なんの興味もなかった人がたまたま通りかかったときに皇居の周りを走っている人を見て、興味を持つ可能性がある。

本田: まさに「百聞は一見にしかず」ですね。「マラソンが体にいい」といくら言われてもなかなか走る気になれませんが、周囲にマラソン大会に参加した人やダイエットに成功した人が出てくると突然やる気が出て、参加したくなる。

田端: 1000万人規模になると、日本の人口の約1割ですから、興味のあるなしにかかわらず目にするようになりますね。

本田: 「みんなのもの」感が出てきますね。日本での1000万という数字は性差や世代をも超える大きな数字です。

田端: 目の当たりにすることで、次々と人が吸い寄せられる。まさに自己増殖の仕組みが働いている。単に走るだけなら、スポーツクラブでいい。でも、わざわざ皇居に出向くのは、仲間と走る楽しみがあるからかもしれないし、先輩ランナーに対する憧れや経緯がモチベーションになることもある。といっても、ガチガチな序列があるわけではない。ゆるやかに参加しながら成長していける楽しみみたいなものがあると思うんですよ

本田: マラソンは「皇居ラン」というカテゴリを作ることで、より特別なイベントとしての魅力を醸成していますね。

田端: ポイントは「すでにあるものを再定義する」ということ。全く新しいものを探してくるよりも、「走りたいけど走れない」という不満を徹底的に解消するというのも、1000万人規模を動かすうえで重要な目のつけどころなのではないでしょうか。

本田: 新たな価値が加わることで、新たな広がりが生まれるわけですね。

田端: 動かそうとする人数が多いと、ついぼんやりとした「世間」をターゲットに据えたくなるけど、より細かく具体的かつ一般化できるターゲットの設定が必要です。

本田: 1000万人規模ともなると、続けるモチベーションは勝手に沸いてくるし、序列も生まれる。

田端: さほど興味がなかった人たちも巻き込みながら、らせん状にゆっくり大きな円を描きながら増えていくイメージです。

本田: 「あの先輩ランナーみたいに走りたい」という憧れや、あるいは憧れられることが、動く意欲につながる。単なる消費にとどまらず、参加することで自己成長していく楽しみを刺激する施策が必要です。

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