「2つの皮算用」とは一体何だったのか。1つはポストシーズン(CSと日本シリーズの総称)中に本拠地での試合を開催できれば、カープは莫大な利益を懐に入れることができたという点だ。リーグ優勝を果たした巨人は現在実施中のCSファイナルステージの本拠地開催権(最大で6試合)を得られたことで、同ステージ1試合につき3億円強の収入を見込んでいる。一方、2位の阪神も広島を下したCSファーストステージ2試合で「6億〜7億円もの巨額収入を得た」ともっぱらだ。
これらの利益は主催試合での入場料及びグッズ、飲食販売の収入やテレビ局からの放映権料などから生み出される。しかしリーグ3位に終わり、さらにはCSでも敗れて日本シリーズ(今年はセ・リーグ球団の進出チームに本拠地開催権が最大4試合ある)への進出の望みも完全に絶たれたカープには、せいぜい敵地でも販売されたグッズ収入や本拠地マツダスタジアムなどで行われたパブリックビューイングでの安価な入場料収入くらいしか入ってこない。
これまで球団関係者たちが「最悪でもリーグ2位」「もし、それがダメでも何とかCSを勝ち上がって日本シリーズへ進出しよう」と誓い合っていたのは単なる“チーム愛”だけではなく、うまみのあるポストシーズン本拠地開催権を何としてでもゲットしたかったからである。
「われわれはポストシーズンの本拠地開催で、だいたい1試合につき1億5000万円から2億円の収入を期待していた。それが事実上『パー』になっちゃったんですからね。泣くに泣けない。パブリックビューイングやグッズ販売などでウチに入ってくるカネなんて総額で1000万円に届けば、それこそ御の字でしょう」とカープ関係者は沈痛な面持ちで本音を漏らす。
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