本連載は、米山公啓著、書籍『脳を強くする56の習慣』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
最近、うっかり用事を忘れることが増えた、発想がどうもマンネリだ――あなたにも心当たりはありませんか?
「自分はまだまだ大丈夫」と思っていても、家族や周りの人が認知症や脳梗塞になった途端、他人事ではすまなくなります。
では、「強い脳」とは何でしょうか? 記憶力や集中力が高く、さらには豊かな創造性を発揮する脳のことをいいます。まずは動脈硬化にならない、健康であることが「強い脳」への第一歩です。
本書では医学博士の米山公啓氏が、最新の知見をもとに脳を「強くする」習慣を紹介します。
「1日3杯のコーヒー習慣」「新作映画を映画館で観る」などの、強い脳をつくる、日常生活でちょっとひと工夫すれば実践できるものばかりです。さあ、あなたも今日から始めてみませんか。
睡眠中は脳をしっかり休ませていると思ってしまいますが、実は睡眠中に、脳は非常に活動していて、記憶に強く関係することが分かっています。
夢を見るレム睡眠のときに、記憶の内容を整理して忘れない記憶に定着させていると考えられています。レム睡眠中に見る夢は怖い夢が多いのですが、これは扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる感情に関係する場所が活性化されているからなのです。
扁桃体は入ってきた情報に感情的な判断をしていくので、感情が動かされる情報は、海馬で重要なものだとして、長期記憶として忘れない記憶に変化していくのです。
睡眠中に、短期記憶から長期記憶への変換、つまり、忘れない記憶に変化させているのです。
徹夜の勉強では記憶を定着する時間がないので、すぐに忘れてしまいます。勉強したあとに眠ることで、記憶をしっかり定着できるのです。ただ最近では、脳が休んでいるノンレム睡眠のときも、記憶を整理しているのではないかといわれています。
睡眠というのは、記憶の定着に非常に重要な時間です。だから、睡眠時間を削って勉強するのは非効率的です。勉強したあとは充分に睡眠をとることが、長い目でみれば、しっかり記憶できていく可能性が高いというわけです。
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