川乃: スーパーや八百屋は農家や卸業者などを介して野菜を仕入れているので、質の高い商品が並んでいるんですよね。コンビニも卸業者などから仕入れていますが、付き合いが短いので“いいモノ”がなかなか手にできないんですよ。あと、スーパーや八百屋は野菜の販売期間が長いですよね。
土肥: 野菜の販売期間が長い?
川乃: 例えば、キャベツがしおれてきたら、その部分をはぎとって販売する。それでも売れなかったら、2分の1、3分の1などにカットして販売する。それでも売れなかったら、サラダにして販売する。あの手この手を使って、なんとか売ろうとするんですよね。
一方のコンビニはどうか。ほとんどの商品がパッケージされているので、販売期間が短いんですよ。キャベツがしおれてきたら、その部分をはぎとることができませんし、カットして販売することもできません。ましてやサラダにして販売……なんて手間のかかることもできません。
一部の商材は、八百屋のように丸ごと仕入れて販売していますが、やはり八百屋の域に達するまでには経験が必要。また、手間のかかる……いわゆる非効率なことはできるだけ避けてきたコンビニが「野菜でもうけよう」と思っても、なかなか難しい。
スーパーが小型化して、ミニスーパーでコンビニに勝つ。コンビニが大型化して、ビッグコンビニでスーパーに勝つ。いまのところ、どちらも難しいですよね。野菜の販売を見ても分かるように、やっぱり「餅は餅屋」なんですよ。「ミニスーパーでおにぎりを販売しますー」「コンビニで野菜を販売しますー」といってもすぐには売れません。
ただ「すぐには売れない」かもしれませんが、ノウハウを積んでいけば「やがて売れる」かもしれない。ミニスーパーが勝つか、それともコンビニが勝つか。それは分かりませんが、両業態の厳しい競争は、今後も繰り広げられるでしょうね。
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