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» 2015年02月24日 08時00分 公開

なぜ“バターみたいなマーガリン”が増えているのか窪田順生の時事日想(5/5 ページ)

[窪田順生,Business Media 誠]
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「人造バター」路線への転向

 先の調査報告書によると、メーカー努力でマーガリンやファットスプレッドのトランス脂肪酸含有量はかなり減ってきているが、商品によってバラつきがあるし、逆に飽和脂肪酸含有量が大きく増加している可能性を示唆している。現時点ではトランス脂肪酸の表示すらも義務づけられていない日本において欧米のようにいきなり規制などという話にはならないだろうが、明るい未来を予感させるような内容ではない。

 もちろん、トランス脂肪酸問題を業界につきつけたはこの報告書が初めてではない。この十数年間、業界は「マーガリンのほうが優れている」とか言っていられない状況に追いやられてるのだ。

 バター風味マーガリンは好調だが、実はマーガリン類の生産自体はじわじわと縮小している。マーガリン工業会のデータによれば、1993年に7万4000トンあったものが20年経過して、5万3000トンまで減っている。なかでも顕著なのが学校給食だ。給食のパンといえばマーガリンだったのに、トランス脂肪酸問題の影響を受け、この20年で半分近くになっているのだ。

 ただ、マーガリン業界もなにもしていないわけではない。そもそも日本人は欧米人ほどトランス脂肪酸を摂取していないというデータを掲げて、「なんでも摂り過ぎたら毒でしょ、要は程度の問題ですよ」という啓発にいそんしんだり、「実はファットスプレッドはバターよりもヘルシーだ」というプロモーションも仕掛けるなど、復活の道を模索している。そこに現れたのが、「バター風味マーガリン」というわけだ。

 長きにわたって封印された「人造バター」路線への転向は、マーガリン逆襲の狼煙(のろし)になるのか。あるいは、衰退への第一歩なのか。注目したい。

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