観劇の場合も同じように事前の準備は欠かせません。
「劇場はどこも乾燥しています。咳込むと周囲のお客さまに迷惑になることもあるので、鼻や喉のケアに役立つものを持参するとよいでしょう」と言うのは、ミュージカルや舞台で活躍する女優の渕真弥子さん。
「服装は劇場に合わせて考えるとよいと思います。大劇場なら、フォーマルな服装の人が多いでしょうから、あまりカジュアルだと浮いてしまうかもしれません。小劇場では座席がベンチや座布団ということもあるので、むしろ楽な服装のほうが無難です」(渕さん)
ファンである俳優・女優にプレゼントをしたい、楽屋へ挨拶に行きたい場合も手順があります。
「当人でもよいですし、劇場の係の方を通してでもかまいませんが、必ず事前に連絡しておきましょう」(渕さん)
商業演劇の場合、楽屋訪問は開幕前か、二幕の前の休憩時間が一般的で、役者の都合で面会の時間が取れないこともあります。
「花を頂くなら初日がありがたいですね。千秋楽は終わるとすぐ撤収なので、荷物になるものはちょっと……。嬉しいのは、化粧台の横に置ける花や小物、時計、トラベルキット、タオル、小さい容器の化粧品など。お菓子の差入れは多いのですが、ちゃんと食事をとる時間がない場合も多いので、軽くつまめるものは総じてありがたいです。そうはいっても、生ものや切り分けが必要なものは避けていただきたいですね」
楽屋で写真を撮ったり、写真をSNSに掲載したいときは許可を得るのがマナーです。もちろん、楽屋に長居は無用。挨拶程度で終わらせましょう。
大事なのは自分よりも、誘った相手が楽しむことです。
「野球でも、ネット裏でじっくり試合を見たい人もいれば、外野席の雰囲気を楽しみたい人もいます。事前にどんな観戦スタイルが好きなのかを聞き出しておきたいですね。また、特別席のような、いつか行きたいと思っているような席があるならそれをセッティングしてあげれば喜ばれます。しっかり情報を得ておきましょう」(北龍さん)
劇場の席も同様です。前方で俳優個人を見たい人もいれば、後方が好きな人もいるのです。
「劇場の座席の配置、傾斜などを調べておいて、背の高さにまで配慮して席を選ぶと、なお喜ばれると思います」(渕さん)
また、持っておくと重宝するのがオペラグラスです。
歌舞伎をはじめ、前列などで水が飛んでくるなど演出上、注意すべき点がある出し物もあります。
「席は通路側から並びで取るのが常識です。こちらは通路側に座り、相手を中へ。一緒に真ん中に入ってしまうと出入りが大変ですから」(北龍さん)
「自分のほうが詳しいとしても、一緒に行く人を立て、事前に調べた知識をひけらかさない。相手が気持ちよく過ごせることが重要です」(北龍さん)
また、観戦・観劇の後日、商談の席でこちらから話題を振らないようにしましょう。
「誘った側から話題をふると、相手にお礼を言わせることになります。個人的に誘われたことを隣の同僚に聞かれたくないかもしれません」(北龍さん)
事前の準備、当日の配慮、さらに事後にも丁寧に対応することが「楽しい思い出」につながります。
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