不安定な政治情勢、株価には悪材料――野村證券調べ
安倍首相の辞任や衆議院の解散総選挙は、株式市場にどのような影響があるか? 個人投資家の3人に1人が「マイナス要因」と回答した。
9月12日、安倍晋三首相が辞任を表明したことについて、個人投資家の3人に1人が「(株式市場にとって)マイナス要因である」(32.2%)と回答した。一方「プラス要因」は22.4%、「中立要因」が36.1%であることから、政治情勢は株式市場にとって悪材料と見る個人投資家が多いようだ。
野村證券の金融経済研究所は、個人投資家の投資動向を把握するため、アンケートを実施した。インターネットによる調査で、株式投資経験のある個人投資家1000人が回答。保有金融資産は200万円未満(20.4%)、200〜500万円未満(19.1%)、500〜1000万円未満(19.8%)、1000〜3000万円未満(25.6%)、3000万円以上が15.1%。調査期間は9月21日から9月25日まで。
衆議院解散総選挙が行われると、株式市場への影響はマイナス要因
「衆議院解散、総選挙の有無とその時期」について、「衆議院の解散、総選挙は行われると思う」と回答した人は82.8%※で、「行われないと思う」の8.0%を大きく上回った。総選挙の時期については「2008年1〜3月まで(3カ月以上6カ月以内)に行われる)」の回答が最も多く35.8%、「年内(3カ月以内)に行われる」が23.7%、「6カ月以上1年以内(2008年4〜9月まで)」が23.3%という結果が出た。
衆議院の解散総選挙が行われた場合の株式市場への影響については、「マイナス要因」が33.7%でトップ、次いで「中立要因」が22.7%。安倍首相辞任による影響よりも、衆議院の解散総選挙の方が株式市場へのマイナス要因が増えていることから、同社では「選挙が行われることで政情が不安定になり、株式市場の悪材料につながると考える向きが多い」としている。
原油価格高騰で資源関連に注目
「今後3カ月程度を想定した場合、注目したい魅力的な業種」については、「資源関連」「素材関連」「医薬品・ヘルスケア」が上位3位となった。資源関連がトップになった理由として「石油を始めとした資源価格上昇の恩恵を享受できるとの考えから、資源関連の選好が高まった」(同社)と見ている。一方、下位の3業種は「金融」「建設、不動産」「電力、ガス」だった。
前回の調査と比較すると、「自動車・自動車部品」の代わりに「電力、ガス」が下位に入った。前回調査時には、急激な円高が進行したため「自動車・自動車部品」が12業種中10位だった(9月6日の記事参照)。しかし、円高傾向が一服したことを受け、「自動車・自動車部品」は7位に上昇した。
「投資対象として、短期、長期を問わず株式を保有したいと思う銘柄、あるいは注目していきたいと思う銘柄」は、1位トヨタ自動車81人、2位任天堂32人は前回の調査と変わらなかった。前回6位だったソニー(28人)が3位に入った。
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