よいベンチャーを見抜く4つのポイント:山口揚平氏が教える“会社の本質”(2/2 ページ)
一般に、1000社あるベンチャーのうち、中堅企業まで育つのは1社といわれる。成長するベンチャー企業には、共通する特徴があるのだろうか。ブルー・マーリン・パートナーズの山口揚平氏は「良い会社かどうかは、従業員3人と話をすれば分かる」と話す。その理由とは……。
従業員3人に話を聞け! その意味とは?
どのベンチャー企業へ投資すればいいのか? そのポイントとして4つを挙げてもらったが、企業を分析するのは経営陣や財務諸表といった資料だけで十分といえるのだろうか。答えは「否」だ。良い会社かそうでない会社かは、3人の従業員と話をすれば分かるという。
山口氏は「経営者にはビジョンが必要だ」と指摘したが、その一方で「会社には優秀な従業員も欠かせない」とも話す。さらに「経営者が優秀であれば企業は成長する、という時代は終わったのではないだろうか。今は優秀な従業員がどれだけいるか、といった点の方が重要だろう」という。
会社に優秀な従業員がどれだけいるか? その見極め方として「『どれだけ顧客(消費者)を満足させることを追求しているか』。これに焦点を絞り、3人の従業員と話をする。話をしてみて『この人は仕事の能力が高いな』と直感で感じるだけでいい。そして3人と話をして2人、つまり6割の確率で優秀な従業員であれば、良い会社と見てもいいだろう」
確かに、いろいろな事業に進出する会社は存在する。しかし経営者といっても1人の人間で、次々に優れたアイデアを生み出すのは至難の業だ。であれば多くの優秀な従業員を抱えている会社の方が、二の矢、三の矢のアイデアが続くだろう。もちろん失敗することはあるだろうが、「そこをうまくコントロールするのが経営者の仕事だ」としている。次回に続く。
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