サッカー八百長の魔の手、日本代表試合にも伸びていた!?:伊吹太歩の世界の歩き方(3/3 ページ)
680以上のサッカーの試合で八百長が行われているとユーロポールが発表した。黒幕として中国系シンガポール人が浮上する。別の仕掛け人は日本代表戦で八百長を行ったと告白する。
アテネ五輪の「日本対ガーナ」で八百長が!?
八百長は、賭博組織が世界中にあるギャンブル市場で大金を稼ぐために行われる。ネット上のギャンブルも増える中、勝敗さえ先に分かっていれば、世界中で面白いほど稼げるようになっている。八百長組織には、選手や審判を買収する者、世界中のギャンブル場で賭けを行う者などがいる。ただギャンブルの動きを監視する組織もあるために、一度に大金をかけることはしない。組織の下っ端たちや協力者たちがそれぞれあちこちで賭けを行い、組織はそれを回収することで莫大な勝ち金を手にしているのだ。それゆえに、組織網は世界に広がっているとみられる。
世界を覆うサッカーの八百長は、実は日本にとっても対岸の火事ではないようだ。前出のヒルは、シンガポールも含む東南アジアで八百長組織を追いかけてきた。そして彼は長年の取材で、サッカーの八百長組織を率い、東南アジアの賭博界では影の存在として有名な、リー・チン(仮名)という人物への接触に成功している。そしてチンから、日本のサッカーファンなら聞き捨てならない衝撃的な話を聞いたと言う。
チンは次のように話した。2004年のアテネ五輪でチンの一味はガーナ代表の数名への接触に成功。グループリーグで最後の試合だった日本戦で、ガーナが負けるように協力させた。チンはガーナのある選手に1万5000ドルを前払いで支払った。チンは、「私から賄賂を受け取る奴かどうかはすぐに分かる。彼らが私に会ってもいいと言うなら、それは賄賂を受け取るという意味だ。あの試合は八百長するのに総額で55万ドルかかった」と、ヒルに暴露した。
アテネ五輪グループリーグ最終戦、日本対ガーナ:
グループリーグ2連敗で、すでに敗退が決まっていた日本がガーナに1対0で勝利した。決勝点を奪った大久保嘉人選手は試合前に「五輪は終わりでも、これで終わりじゃない」とコメントし、勝利を目指していた。
もちろんこれはあくまでチンの証言であり、真偽を判断するのは難しい。さらにいうと、日本代表チーム側が八百長に関わったということは一切ない。
それでも、ファンのみならず国民が熱狂する人気スポーツのサッカーに、八百長がつきまとっているのは間違いない。夜中に目をこすってテレビ観戦する人や、サッカーに人生を捧げているサポーターなどのために、一刻も早く八百長は根絶してもらいたいものだ。
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