悩んだら上司ではなく、隣の部門の先輩に話してみる:絶対に達成する技術(2/2 ページ)
「ナナメの関係」は無責任です。しかし、だからこそ目標達成へ気付きを与えてくれるものです。「縦の関係」の直属の上司や先輩だけでなく、「ナナメの関係」で相談できる相手を見つけましょう。
「ナナメの関係」こそ、目標達成への気付きを与えてくれる
直属の上司は、部下に対して親心で「たくましく育ってほしい」と願います。すると、私の元上司のように突き放すか、その逆に直接的な指示をしてしまったりします。これはある意味、仕方のないことなのです。上司と部下の縦の関係は、業績の責任があるので「人材育成」に関しては、どうしても不器用な関係になりがちです。
一方で、隣の部門の先輩はそうではありません。業績には直接かかわらない、言わば「無責任な関係」です。ふだんの仕事ぶりも知らないので「逆質問」をしてくれます。その質問が、相談した本人の「気付き」を引き出す結果になります。
また無責任な関係なので「大人の思いやり」で話ができます。自分の部下に向けては絶対言えないことも「ズバリ!」と言えたりします。
上司と部下の関係を「縦の関係」というのに比較して、隣の部門の先輩のような人との関係を「ナナメの関係」といいます。「ナナメの関係」こそ目標達成への気付きを与えてくれるのです。
「ナナメの関係」の効果。新人営業マンがMVPをとれたワケ
あるハウスメーカーの、新人営業マンの例です。その新人は年間MVPを取りました。理由は「ナナメの関係」の活用でした。
彼が他の新人と違ったのは、自分の営業状態を詳細に社内のITシステムで公開することによって、別の支店の先輩たちからたくさんのアドバイスを受けていたことでした。
「現在、○○町の□□宅に営業しています。先月末にご夫婦で展示会場にいらっしゃいました。40代前半のご夫婦で、小学生の娘さんが2人います。まずは来週月曜に、商品カタログを持って訪問しようと思います」
するとA支店の先輩から、こんなアドバイスがありました。
「ご主人が決める権限をもっているとは限らないよ。おじいちゃん、おばあちゃんがお金を出す場合もある。まず、ご家族の構成をお聞きするといいよ」
また、B支店の先輩からはこんな意見が届きました。
「おばあちゃんと一緒に住む場合は、キッチンの提案に注意してください。お年寄りでも利用しやすい台所である点をアピールして受注したことがあります」
この新人はアドバイスに耳を傾け、自分でアレンジを加えながら、日々の営業活動に生かしていったのです。
(次回は、「いいね! はときにあなたの成長を止める」について)
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