「いいね!」は、ときにあなたの成長を止める:絶対に達成する技術(2/2 ページ)
目標達成に必要なのは「気軽な共感」ではありません。量ではなく、質を重視したフィードバックをし合ってください。お互いの目標達成に関わり合うことこそが、チームの価値です。
チームの価値は、お互いにフィードバックし合うことにある
目標達成において、価値のあるフィードバックを考えたとき「チームとは何か?」を真剣に考える必要があります。単なる人の集まりとは違い、チームとは同じ目的を持った仲間の集まりです。共通の目的はただ1つ、「目標達成」です。
チームの存在価値は「お互いの目標達成に関わること」だと言えます。関わることとは「フィードバックし合うこと」です。相手の目標達成に対する気付きを与えていくということです。
「お互いの目標達成」のためのチームは、同じ部署の人だけで構成する必要はありません。むしろ、ふだんの仕事はまったく関係のない人同士のほうがうまくいきます。同じ部署だと「縦の関係」が強すぎてしまうからです。
フィードバックは「こうしろ!」と指示を出すものではありません。指示は一瞬だけなら相手を動かすことができるかもしれませんが、その後の行動が継続しません。自分が腹の底から理解しなければ行動は続かないのです。フィードバックはあくまで相手に、自分で気付いてもらうために行うものです。答えは相手の中にあるのです。
そしてチーム内では、相互にフィードバックのあることが大切です。「人のふり見て、わがふり直せ」と言うように、人にフィードバックすることで自分自身の気付きにつながります。フィードバックされることだけでなく、フィードバックすることも「人から吸収すること」にほかならないのです。
フィードバックは「共感+質問」で表現する
フィードバックの構造は「共感+質問」です。共感だけでも、質問だけでもいけません。両方セットであることが肝心なのです。
フィードバックは相手に気付きを与えるだけでなく、自分自身も気付きを得ることができます。では、「気付きを得ること」を体験してみましょう。
ここ1週間でみなさんが取り組んで「できたこと」を1つ思い出してください。例えば「お客さまに提案した」「設計書が完成した」「経理処理が終った」など、たとえ成果でなくても「できたこと」ならなんでもよいです。
では、私からフィードバックします。
「よくやりましたね。いつもがんばっている姿に感心しています。○○○ができたとのことでよかったですね。このまま順調にいけそうですね。また同じことがあったとして、「こうすればよかったな」という点があるなら、次はどんなことが工夫できますか?」
どういう感想をもちますか? 「ほめられてうれしかった」「次回はこんなことをしてみよう、と思った」と感じるのではないでしょうか。
つまり「学びの感度センサー」がスイッチONになり、「経験に対する再思考」が始まったのです。フィードバックにより、再度「行動の振り返り」が始まったのです。
いったいどのようなフィードバックが、効果的なのでしょうか? 次回は、「共感」と「質問」の技術について説明していきます。
(次回は「“共感”は緊張を和らげ“質問”は達成を後押しする」について)
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