短い時間で終わらせれば評価は高くなる:東大生はなぜ会社で使えないのか?(2/2 ページ)
ビジネスにおいて、最も重視しなければならないのがスピード感です。同じ結果であれば、短時間のほうがコストもかからなくて済み、空いた時間をほかのことに使えるからです。
仕事は「質」+「スピード」の合計点
私が行っているコンサルタントの仕事では、その日に答えていれば70点の出来で許されたにもかかわらず、2日後に回答する場合は95点を求められるということがあります。
上司に依頼された仕事で、そういったケースをよく経験しました。その場でパッとやってしまえば、出来が少々荒くても「早くていいね」と言われたのが、2日後に提出する場合はしっかり整えて、品質を2、3割増しで仕上げなければならなくなります。つまり数日が経つことで、相手の期待値が上がっていくのです。仕事の効率を考えると、すぐに答えておくべきです。
このように、仕事の出来はクオリティとスピードの合計点で判断されます。スピードが50点ならクオリティを90点まで引き上げなければいけない一方、80点のスピードを出せればクオリティは70点で許される、ということだと思います。
どちらが簡単かと言えば、スピードを上げるほうです。ビシっとすぐに出して、その場で終わらせてしまうほうが気持ち的にもスッキリする。
ビジネスマンの真価が問われるのは、スピードを求められて慌てるような状況で、どんな力を発揮できるかです。そうやって働く状態を、当たり前にしてください。
今回のポイント
締め切りを自ら前倒しすることで、スピード感が身につく
(次回は「100点の仕事」について)
著者プロフィール:
関厳(せき・いわお)
株式会社リブ・コンサルティング 代表取締役/国際公認経営コンサルティング協議会認定/マスター・マネジメント・コンサルタント。
2002年、東京大学教育学部卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。トップマネージャー賞をはじめ、数多くの社内賞を獲得し、史上最年少で取締役に就任。その後、専務取締役に就任し、コンサルティング部門の責任者として活躍。
2012年、同社を退職し、株式会社リブ・コンサルティングを設立。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念に掲げ、トップコンサルタントとして幅広い業界のコンサルティング支援に携わる。
【著書】
『東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)
Twitterアカウント:@Iwao14。
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