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1日約100万人に「ネスカフェ」を広めるアンバサダーたち:なぜ人は“動く”のか(2/2 ページ)
「ミリオンセラー」ともいわれるように、100万は大ヒットを示す1つの指標である。それだけに当然ながら、一筋縄では動いてくれない。複雑さを増してくるメカニズムを掘り下げていこう。
Q:100万人規模ともなると、かなり話が複雑になりそうですが?
本田: 100万人規模は構造化も進みますし、登場人物が増える分、コトが起こるまでのスパンも長くなります。ネスカフェのアンバサダー制度は、「俺って、コーヒー好きなんだぜ」という意識の高さを周囲に知らしめるものであるという見方もできます。
田端: まさに「違いが分かる人」である、と。ふつうのインスタントコーヒーや缶コーヒーは論外。でも豆から挽くのは面倒だ。会社としては、社員の時間を使わず来客においしいコーヒーを出すことで、おもてなしに対する意識の高さもアピールできる。
本田: 100万人規模を動かそうと思ったら、魅力的なラベリングを発明するのは重要ですね。「自分のアイデンティティは何か」といったちょっと難しい話が顔を出すのが、これくらいの規模なのかもしれません。
田端: 客単価5万円のレストランに行くよりも、もてなす側のほうがかっこいい。「提供者」「顧客」「消費者」の関係は変化していて、1人で何役もこなす人も増えた。そうしたスタイルが身近にどれだけ根づいているかも成否を分けるかも。どんなにかっこいい肩書きを作ったとしても、それがある程度認知されたものでなければ、価値につながらない。
本田: 100万人規模ともなると、モチベーションの自家発電は難しい。何らかの虚栄心や承認欲求を満たす必要があります。誰か1人が市場をけん引しているわけではなく、バイラル(口コミ)風に拡散していくのもこのあたりからですね。
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