AIが実現する新たなUI「スピンぐるメニュー」とは:ふぉーんなハナシ
「なんか面白い機能ないかな」――そんなゆるい気持ちで使えるのが、ソフトバンクモバイルのシャープ製端末に新たに搭載された「スピンぐるメニュー」だ。
ソフトバンクモバイルが発表したシャープ製の冬モデルといえば、「AQUOS SHOT 940SH」なら1210万画素CCDカメラ、「AQUOSケータイ FULLTOUCH 941SH」なら4インチのハーフXGA液晶などのスペックや、新サービスの「ケータイWi-Fi」などが目を引くが、新たに搭載されたユーザーインタフェース「スピンぐるメニュー」にも注目したい(ちなみに、2010年春モデルとして発売予定の「AQUOSケータイ 943SH」もスピンぐるメニューに対応予定)。
スピンぐるメニューを一言で説明すると、「ユーザーの利用スタイルに合った機能やサービスを勧めてくれるもの」だが、中身はなかなか奥が深い。同メニューには、ゲームにも使われているAI(人工知能)を採用しており、日付・曜日・時刻・シチュエーションに応じた機能が表示される。例えば、起床時に「今日の予定」が先頭に現れるといった具合だ。
端末にイヤフォンを挿すとミュージックプレーヤーやワンセグを勧めてくれるなど、ハードウェアと連携している点も興味深い。アドレス帳やカレンダーに登録した誕生日の10日前になるとメールの「送信予約」、誕生日になると、(シーン別カメラの1つ)「バースデーカメラ」が現れるという仕掛けもある。
シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業本部 商品企画部 主事の奥田計氏によると、「スピンぐるメニューにはトータルの利用頻度と時間帯ごとの利用頻度もインプットされる」という。例えば夜間や休日によくアクセスするサイトは、昼間や平日には勧めない傾向になる。「利用頻度が少ない機能は、時間が経つごとに勧める頻度も減らしている」(奥田氏)ので、不要な機能が表示される確率は低くなる。このスピンぐるメニューは、「マリオゴルフ」「マリオテニス」「黄金の太陽」などの企画制作でも知られるゲームソフト制作会社 キャメロットとシャープが共同開発したもので、「ゲームの戦闘システムを応用した」という。
また、iPhoneをはじめ「最近のケータイには使う心地よさや気持ちよさが求められている」(奥田氏)ことから、十字キー(ベクターパッド)周囲をぐるっとなぞって表示、カーソル移動するという操作方法を採用した。
スピンぐるメニューは、通常のメインメニューやショートカットとは異なり、ユーザーが目的を持って呼び出すというよりは、「何か面白い機能はないかな」と“ゆるい”気持ちで使うメニューといえる。ケータイの全機能を使いこなしているユーザーはまれだと思うが、意外な便利機能が眠っているかもしれない。そうした新たな機能を掘り起こす可能性を秘めているのも、スピンぐるメニューの魅力といえる。
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