スマートフォンを使いやすく――「Xperia」を基点にドコモが目指すもの:iPhoneに勝てる?(2/2 ページ)
ドコモのスマートフォン「Xperia」は、「Mediascape」や「Timescape」といった独自のUI(ユーザーインタフェース)を採用したことで、今までにないエンタメ機能を用いたコミュニケーションを可能にした。ドコモがXperiaを基点に目指すもの、そしてXperiaのiPhoneにはない魅力とは――。
AndroidアプリはiPhoneよりも大きな市場
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ プレジデントのバート・ノルドベリ(Bert Nordberg)氏は「我々の戦略は、コミュニケーションエンターテインメント分野でリーダーになること。コミュニケーションが真のエンターテインメントになることを目指してXperiaを開発した」と意気込みを話した。
ノルドベリ氏は、Androidアプリの充実にも積極的な姿勢を見せる。「開発者の方々と一緒に豊富なアプリを提供したい。ドコモの信頼できる通信基盤があれば、多くのAndroidアプリを提供できると考えている」と話す。Androidアプリがオープンな仕様を採用していることから、同氏は「メーカーや開発者にとっては、AndroidアプリはiPhoneよりも大きな市場を見込める」との考えも示した。
Xperiaは世界同時発売を予定しているが、日本では世界に先駆けて発売される予定。「ソニー・エリクソンは日本市場に大変力を入れている。これからもコミュニケーションエンターテインメントにのっとった、魅力ある製品を開発していきたい」(ノルドベリ氏)
「mora touch」は成長するサービス
Xperiaの「新感覚コミュニケーション」と「ハイスペック」を満たすサービスの1つとして注目したいのが、レーベルゲート4月に開始する音楽と映像配信サービス「mora touch(モーラタッチ)」だ。同社 代表取締役 執行役員社長の佐藤亘宏氏は「mora touchを一言で言うと、成長する端末への成長するサービス。PC環境では成長するアプリは開発できたが、今回はついにケータイでも可能になった」と話す。では“成長するアプリ”とは何か。同氏はその要素に「新しいユーザーインタフェース」「PC配信サービス並みのクオリティ」「多彩な音楽の楽しみ方の提案」を挙げた。
「ユーザーインタフェースはキー操作がタッチパネルに変わっただけでなく、Googleの音声認識技術も使えるので、世界観が変わる」と佐藤氏は説明する。VGAサイズの映像再生やアルバムの一括配信など、PC版と遜色のないリッチコンテンツの配信も可能になる。加えて、音楽再生中にワンタッチで端末(microSD)内の関連コンテンツやWeb上のコンテンツを確認できるMediascapeにより、「より快適なユーザー導線と利用環境を提供できる」と佐藤氏は期待を寄せる。
「mora touchは、従来のPCやケータイ向け配信サービスの置き換えではなく、新しいマーケットを創造できるサービス。これはコンテンツプロバイダだけではなく、携帯事業者の積極的な施策と優れた端末があって初めて実現できた。Android端末向けなので、サービスは日々進化するだろう」(佐藤氏)
これまでドコモが発売してきたスマートフォンは、ITリテラシーの高いユーザー向けという側面が強かったが、料金とサービス環境を改善することで、同社は“普通のユーザー”にもスマートフォンを使ってもらうことを狙う。Xperiaの端末としての魅力とドコモの施策でどこまでスマートフォンユーザーを獲得できるのか。その動向に注目したい。
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