「WORLD WING」の通信障害、ネットワーク設計に問題――ドコモとNTTコム
ドコモとNTTコムが8月13日に発生した国際ローミングサービスの通信障害について原因を発表した。ネットワーク設計に問題があったという。
NTTドコモとNTTコミュニケーションズは8月29日、8月13日に発生した国際ローミングサービス「WORLD WING」の通信障害について原因と対策を発表した。
WORLD WINGの通信障害は、8月13日の18時24分から15日の2時13分にかけて発生(いずれも日本時間)。ドコモが国際ローミングを提供する220の国と地域で、音声通話とパケット通信が利用しにくくなるなど約8万人に影響が出た。
通信障害の原因は、ドコモが国際ローミング用に利用している国際共通線信号網(NTTコムが管理)の設計に問題があり、本来の処理能力を発揮できなかったため。国際共通線信号網内にあるIP-STPと呼ばれる中継装置と、海外の事業者を結ぶ国際交換機の国別経路に偏りがあったほか、装置を結ぶリンクにも偏りがあり、渡航シーズンで集中したトラフィックに対して本来使える半分の帯域しか利用できなかった。
緊急対策としてNTTコムは、IP-STPと国際交換機のリンクの偏りを8月14日に見直し、16日に一部の国別経路でも対応を行った。国別経路は9月上旬に再度見直すという。また本格的な対応策として、一部の国際通信事業者向け中継経路をIP-STPから海外中継事業者への直接接続方式に切り替え、また新型の国際交換機へ移行して信号処理能力の向上を図る。
一方のドコモは、中継事業者の冗長化を目的として、NTTコム以外の中継事業者へオペレーターを一部変更する。また2社で設備の利用状況を共有し問題発生時の対策検討などを実施する定期会合を開催するほか、ユーザーに対する通知の迅速化も進める。
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