第8回 ベンチマークスコアが高い/起動が速いAndroidスマホは?:最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編)(2/2 ページ)
スマートフォンのCPUやグラフィックなどの性能を客観的に測れるツールとしてベンチマークアプリが提供されている。そこで今回は「Quadrant Professional Edition」と「Vellamo」アプリを使い、スコアを比較してみた。あわせて起動時間も調べた。
起動速度:HTC JとOptimus itが速い
動作が不安定になったので再起動する、節電のために電源をオフにしておく、SIMカードを入れ替えて使う……といったシーンでは、いかにスムーズに本体が起動するかが重要だ。そこで、夏モデル27機種の起動時間を計測した。いずれも初期状態で、電源キーを押してロック解除画面が表示されるまでの時間を3回計測し、その平均値を出した。
最も速かったのが16.2秒のHTC Jで、唯一の10秒台となった。HTC製のスマートフォンは、従来から高速で起動できることに定評があるが、日本カスタマイズのHTC Jでもその性能が引き継がれているようだ。2位以降は22.567秒のOptimus it、23.3秒の「AQUOS PHONE Xx 106SH」、25.267秒の「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」、25.367秒の「AQUOS PHONE sv SH-10D」が続き、ドコモとソフトバンク向けのシャープ製ハイエンド機が奮闘した。なお、2011年冬モデルと12年春モデルの中では約6秒で起動できる「GS02」が最も速かったが、後継機のGS03は34.1秒と平均的。同じくHuawei製でドコモから発売予定の「Ascend HW-01E」は、メモリを保持する「高速ブート」機能により、5秒で起動が可能だ。
遅い結果が目立つのが富士通/富士通モバイルコミュニケーションズ製のモデルだ。REGZA Phone(32.633秒)とARROWS A(29.833秒)はまずまずだが、41.533秒のらくらくスマートフォンをはじめ、40秒以上かかった6機種のうち5機種がF端末だ(他は51.6秒の「URBANO PROGRESSO」のみ)。ARROWS Zは71.367秒、「F-09D ANTEPRIMA」は107.533秒もかかった。せめて1分以内での起動は実現してほしい。
あわせて、電源キーを長押しした際に現れるメニューの中に「再起動」があるかどうかも調べた。この再起動メニューがあれば、電源を切った後にもう1度電源キーを押す手間が省けるので便利だ。メニューに再起動が表示されるのは、富士通/富士通モバイルコミュニケーションズ、LG、HTC、Samsung、シャープ製のモデル。京セラ、NECカシオ、パナソニック モバイル、Huawei、ソニーモバイル製のモデルには採用されていないが、利便性を考えたら標準機能にしてもいいだろう。
機種 | 起動速度 | 再起動メニュー |
---|---|---|
NTTドコモ | ||
F-09D ANTEPRIMA | 107.533秒 | ○ |
ARROWS X F-10D | 50.133秒 | ○ |
ARROWS Me F-11D | 44.167秒 | ○ |
らくらくスマートフォン F-12D | 41.533秒 | ○ |
Optimus it L-05D | 22.567秒 | ○ |
Optimus Vu L-06D | 34.367秒 | ○ |
MEDIAS X N-07D | 30.633秒 | - |
ELUGA V P-06D | 37.233秒 | - |
ELUGA power P-07D | 32.8秒 | - |
GALAXY S III SC-06D | 26.267秒 | ○ |
AQUOS PHONE st SH-07D | 34.4秒 | ○ |
AQUOS PHONE ZETA SH-09D | 25.267秒 | ○ |
AQUOS PHONE sv SH-10D | 25.367秒 | ○ |
Xperia GX SO-04D | 36.933秒 | - |
Xperia SX SO-05D | 32.5秒 | - |
REGZA Phone T-02D | 32.633秒 | ○ |
au | ||
ARROWS Z ISW13F | 71.367秒 | ○ |
HTC J ISW13HT | 16.200秒 | ○ |
URBANO PROGRESSO | 51.6秒 | - |
AQUOS PHONE SL IS15SH | 36.233秒 | ○ |
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH | 37.500秒 | ○ |
AQUOS PHONE CL IS17SH | 30.9秒 | ○ |
ソフトバンク | ||
ARROWS A 101F | 29.833秒 | ○ |
AQUOS PHONE Xx 106SH | 28.9秒 | ○ |
PANTONE 5 107SH | 23.3秒 | ○ |
イー・モバイル | ||
DIGNO DUAL WX04K | 36.9秒 | - |
ウィルコム | ||
GS03 | 34.1秒 | - |
オマケ:起動画面のパターン
関連キーワード
NTTドコモ 2012年夏モデル | ロゴマーク | 電源 | HTC J ISW13HT | 再起動 | Optimus it L-05D | F-09D ANTEPRIMA | GS03 | Ascend HW-01E | MEDIAS X N-07D | GALAXY S III SC-06D | AQUOS PHONE ZETA SH-09D | AQUOS PHONE sv SH-10D | URBANO PROGRESSO | DIGNO DUAL WX04K | ARROWS A 101F | らくらくスマートフォン F-12D | Optimus Vu L-06D | Xperia GX SO-04D | 高速起動
関連記事
- 「最新スマートフォン徹底比較」バックナンバー:
最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第7回 Android 26機種の通信速度を計測――高速な機種はどれ?
LTEやWiMAXなどの次世代通信サービスに対応するスマートフォンが続々と登場しており、夏モデルでは特にドコモのXiに対応する機種が増えた。実際の通信速度はどれくらいか? 9月上旬に都内で26機種を検証した。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第6回 バッテリーが持つAndroidスマホは?――28機種を比較
スマホのバッテリー容量は公開されているが、容量が大きいからといって必ずしもバッテリーが長持ちするとは限らない。そこで、Androidスマホ28機種で、YouTube動画を再生し続けるテストを実施し、どれだけ持つのかを確認した。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第5回 持ち心地に優れたモデルは?――Android 28機種を採点
スマートフォンの持ち心地はスペックからは計れないが、毎日手にすることを考えると軽視できない項目だ。そこで今回は、各社の夏モデルを手にして、丸み、細さ、薄さ、軽さ、片手での操作性を検証した。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第4回 大容量バッテリーを備えている機種は? 卓上ホルダは使える?
スマートフォンを使う上で気になるバッテリーの持ち。Android夏モデルの比較レビュー第4回では、バッテリーの容量、連続待受時間、連続通話時間、卓上ホルダ対応/同梱の有無をまとめた。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第3回 ディスプレイのスペックは何が違う?――Android 27機種を比較
ドコモ、au、ソフトバンク、イー・モバイル、ウィルコムの夏スマホを比較するコーナー。第3回では「ディスプレイ」に焦点を当て、各機種のスペックなどを調べた。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第2回 プロセッサーは何が違う?――Android27機種
2012年夏モデルのスマートフォンを比較する本コーナー。第2回では各製品に採用されているプロセッサーをまとめた。最新スマートフォン徹底比較(2012年夏モデル編):第1回 小型で軽い機種は?――Android夏モデル27機種のサイズと重さを比較【改訂版】
いよいよ出そろった2012年夏モデル。本コーナーでは、各キャリアから発表されたスマートフォンの新機種を横並びで比較していく。第1回はサイズと重さに焦点を当てた。なお、この記事は6月15日に掲載したものをベースに、端末スペックで変更があったところを修正している。最新スマートフォン徹底比較(2011年度冬春モデル編):第3回 35機種の通信/起動速度を比較――最も“高速な”機種はどれ?
スマートフォンでもLTE、WiMAX、HSPA+などの高速通信サービスが導入されているが、実際にどの程度の速度が出るのだろうか。冬春モデル35機種で比べてみた。あわせて、本体の起動速度も計測した。Qualcomm Mobile Benchmarking Workshop:クアッドコアCPU搭載のSnapdragon「APQ8064」のベンチマークを試す――Tegra 3との差は?
スマホやタブレットにおける「クアッドコアCPU」といえば、NVIDIAの「Tegra 3」が話題を集めているが、QualcommもクアッドコアCPU搭載のプロセッサーを開発しており、2012年内には採用製品が登場する見込み。Qualcommが開催した「Benchmarking Workshop」でその性能を確認した。最新スマートフォン徹底比較(2011年度冬春モデル編):第4回 ベンチマークスコアが高い/メモリ容量が大きい機種は?――冬春モデル
冬春モデルからデュアルコアCPU搭載スマホが増えたが、端末の性能を数値化するとどこまで差が出るのだろうか。購入時のチェックポイントにもなる「メモリ容量」については、ROM、RAM、実際に使用できる内蔵メモリを調べた。withシリーズ:ANTEPRIMAコラボの“女子力アップ”スマホ――「F-09D ANTEPRIMA」
ファッションブランド「ANTEPRIMA」とのコラボ端末「F-09D」は、端末の端々に花のモチーフをあしらった女子向けスマホ。タッチペンが付属し、写真の装飾も自由自在だ。写真で解説する「ARROWS X F-10D」
4.6インチの大型ディスプレイや、国内のスマートフォンでは数少ないクアッドコアCPUを搭載した「ARROWS X F-10D」。スペックが向上したことはもちろん、指紋センサーやプライバシーモードを新たに採用するなど、使い勝手も向上している。月2980円の専用パケット定額プランを用意:写真で解説する「らくらくスマートフォン F-12D」
ドコモの「らくらくスマートフォン F-12D」は、らくらくホンシリーズで初めて全面タッチパネルを採用したAndroidスマートフォン。大きなアイコンを採用したシンプルなメニューが採用され、ボタンを押した際の感覚も再現している。Xi&NOTTV対応のwithシリーズ:写真で解説する「MEDIAS X N-07D」
NECカシオの「MEDIAS X N-07D」は、防水仕様の薄型ボディにおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信など、日常的に使える機能を詰め込んだ、いわゆる“全部入りスマホ”。デュアルコアCPU搭載で、NOTTVをはじめ動画サイトなどの視聴もサクサクできるモデルとなっている。パナソニックらしさが目立つ高機能モデル:写真で解説する「ELUGA V P-06D」
LUMIX Phoneに変わり、日本でも展開されるパナソニック モバイルのスマホブランド「ELUGA」。ドコモの夏モデルでは3機種のELUGA端末が登場したが、ワンセグと赤外線、おサイフのすべてに対応しているのが「ELUGA V P-06D」だ。写真で解説する「ELUGA power P-07D」
5インチの大画面ディスプレイを採用しながら、軽く、薄く、持ちやすい――ドコモの「ELUGA power P-07D」は、ムダのないシンプルなボディに高機能を詰め込んだNEXTシリーズのスマートフォンだ。写真と動画で解説する「GALAXY S III SC-06D」
これまでのGALAXY Sシリーズは、どちらかというと「スペック推し」の印象が強かったが、GALAXY S IIIはスペックを向上させたのはもちろん、ユーザーの使い勝手に配慮した機能も充実させ、バランスの取れた1台に仕上がっている。新機軸のAQUOS PHONE:写真で解説する「AQUOS PHONE st SH-07D」
NTTドコモ夏モデルのシャープ製端末「AQUOS PHONE st SH-07D」は、音楽を身に付けるというライフスタイルにぴったりなwithシリーズらしい個性的なスマートフォンだ。写真で解説する「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」
「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」は、ドコモのLTEサービス「Xi」に対応し、省電力に優れた新開発の「Super CG Silicon液晶」を採用した防水・防塵モデル。モバキャスを除くすべての機能やサービスに対応したといっても過言ではない多機能モデルだ。NEXTシリーズ:ポリゴンシェルデザインのボディに多彩な機能を装備――「AQUOS PHONE sv SH-10D」
Xiや1.5GHz動作のデュアルコアCPU、NOTTVなど先進の機能を詰め込んだシャープの「AQUOS PHONE sv SH-10D」は、映像やさまざまなコンテンツを楽しむための多彩な機能が特徴だ。Xperia NX/arcと見比べてみた:写真で解説する「Xperia GX SO-04D」(外観編)
LTE対応、アーク形状、Android 4.0などが特徴の「Xperia GX SO-04D」。2月に発売された「Xperia NX SO-02D」からデザインが大きく変わっているが、持ち心地はどうか。外観の特徴とあわせて見ていこう。UIとメディア系アプリが進化:写真と動画で解説する「Xperia GX SO-04D」(ソフトウェア編)
Android 4.0にバージョンアップした「Xperia GX SO-04D」のUIは、Xperia NX/acro HDをベースにしながら改良されている。写真/音楽/動画のメディア系アプリにも独自の機能拡張が施されている。小さいけど全部入りなんです:写真で解説する「Xperia SX SO-05D」
ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia SX SO-05D」は小型・軽量ボディにLTE通信機能だけでなく日本市場向けの“三種の神器”まで搭載している。同時発表された「Xperia GX SO-04D」より盛りだくさんかもしれない本機に迫る。今夏は“鮮やかさ”で勝負です:写真で解説する「REGZA Phone T-02D」
ドコモ向け“REGZA Phone”の第3弾となる富士通製の「REGZA Phone T-02D」。前モデルのwithシリーズからNEXTシリーズに“移籍”して、映像美を極めたハイスペックスマートフォンとして登場する。プライバシーモードも搭載:写真で解説する「ARROWS Z ISW13F」
「ARROWS Z ISW13F」は、クアッドコアプロセッサを搭載した富士通製のau向けハイエンドスマートフォン。処理能力の高さもさることながら、さまざまなセンサーを駆使したユーザー支援機能の数々も特徴的だ。写真と動画で解説する「HTC J ISW13HT」
HTCが開発したau向けスマートフォン「HTC J ISW13HT」は、デザイン、機能、ソフトウェアなどさまざまな面で日本向けのカスタマイズが施されている。どんなところに注力して開発されたのか。主な見どころをリポートしよう。世界初、タッチパネルがスピーカー:写真で解説する「URBANO PROGRESSO」
使いやすさとスタイリッシュなデザインを兼ね備えた「URBANO」シリーズが、初めてスマートフォンとして登場。ディスプレイが振動して音声を伝えるレシーバーをスマホとして世界で初めて採用したほか、フィーチャーフォンやDIGNOで好評な機能も搭載した。より“ケータイ”に近づいた防水スライドスマホ――「AQUOS PHONE SL IS15SH」
シャープの「AQUOS PHONE SL IS15SH」は、スライドボディにダイヤルキーを搭載した“ケータイ”感覚で操作できるAndroidスマートフォン。もちろん、ワンセグ、おサイフ、赤外線を搭載し、ボディは防水対応だ。AQUOS PHONE ZETA/Xxとの違いは?:写真で解説する「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」
au向けのハイスペックなAQUOS PHONEとして登場したシャープの「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」。FeliCa/NFCをダブルで搭載してWiMAXにも対応。4.6インチのHD CGSilicon液晶や12メガピクセルカメラを備えるほか、UIも大きく変更されている。2.1インチメモリ液晶搭載の薄型スマホ――「AQUOS PHONE CL IS17SH」
auのAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE CL IS17SH」は、メモリ液晶を使った“メイン&サブ”のコンビネーションディスプレイや、8.9ミリの薄型ボディなどが特徴だ。ワンセグやおサイフケータイ、赤外線機能も搭載し、ケータイから乗り換えやすいモデルとなっている。ドコモ/au版ARROWSとの違いは?:写真と動画で解説する「ARROWS A 101F」
ソフトバンクでは初めての参入となる富士通が開発したスマートフォンが「ARROWS A 101F」だ。下り最大42MbpsのULTRA SPEEDに対応し、かゆいところに手の届く富士通らしい機能も充実させ、使い勝手とスペックが両立している。スマホ初のPANTONE、防水・防塵対応で放射線測定機能も――「PANTONE 5 107SH」
カラフルなPANTONEケータイがスマホになって登場。幅58ミリのコンパクトなボディに放射線測定機能を装備し、気になる場所ですぐ測定できる。写真で解説する「AQUOS PHONE Xx 106SH」
ソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 106SH」は、透過率が高く消費電力を抑えられる「S-CGSilicon液晶」を採用し、下り最大42Mbpsの「ULTRA SPEED」に対応。ドコモの「AQUOS PHONE ZETA」とほぼ同等の機能を搭載したハイスペックモデルだ。スマホで“だれ定”:写真で解説する「DIGNO DUAL WX04K」
京セラ製の「DIGNO DUAL WX04K」は、ウィルコム初のAndroidスマートフォン。PHSによる「だれとでも定額」に加え、ソフトバンクの3G網を使った高速なパケット通信と音声通話も利用できる。写真と動画で解説する「GS03」
イー・アクセスの夏モデルでは、現時点で唯一のスマートフォンであるHuawei製の「GS03」。Android 4.0、デュアルコアCPU、HSPA+、QHDサイズの4.3インチ有機ELなど、必要十分なスペックを有する。外観、ソフトウェア、操作感を見ていこう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.