モバゲーやGREEと何が違う? NTTドコモに聞く「dゲーム」の狙い:他キャリアのスマホでも遊べる(2/2 ページ)
ドコモは12月中旬から、ソーシャルゲームサービス「dゲーム」を開始する。激しい競争が続くソーシャルゲーム市場になぜ国内最大のキャリアが参入するのか。担当者に聞いた。
安全性への取り組みやアプリへの対応は?
ソーシャルゲームのプラットフォームを提供する上で気になるのは、安心・安全に関する取り組みだ。特に2012年5月頃、ソーシャルゲームで提供されていたガチャの仕組みの1つ“コンプガチャ”が射幸心を煽ると問題視され、消費者庁がこれを規制するなど大きな騒ぎとなったことは記憶に新しい。ソーシャルゲーム関連の事業者に対する健全性の対応には、今なお厳しい視線が注がれている。
dゲームは安心して利用できるためにどのような施策を実施するのだろうか。渡辺氏によると、基本的には大手ソーシャルゲームプラットフォームが実施しているのと同様の健全化策を実施していくとしている。また決済に「spモード決済」ではなく「ドコモ ケータイ払い」を用いることで、キャリア決済の仕組みを用いている限り、未成年が1万円の上限を超えることはないとの見解を示している。
しかしそれでもなお、例えば未成年者が親のクレジットカードを利用して高額の課金をしてしまった事例の責任がプラットフォーム側に向けられてしまうなど、ソーシャルゲームプラットフォームにあらゆる問題の批判が集まる傾向は現在も続いている。そうした諸問題に対し、渡辺氏は「業界全体で健全化に対する議論をしていきたい」と話しており、2012年11月8日に発足したソーシャルゲームの業界団体、「一般社団法人ソーシャルゲーム協会」(JASGA)への参加も予定していると話す。
もう1つ気になるのが、アプリへの対応だ。dゲームはゲームのライトユーザーを獲得するため、ブラウザタイプのソーシャルゲームを提供するとしているが、最近ではアプリを用いたカジュアルゲームが、ライトユーザーにも普及しはじめた。本格的なゲームでなくとも、アプリベースのゲームを提供することは、ライトユーザー開拓の上で重要になってくるだろう。
これについて渡辺氏は、「アプリベースのカジュアルゲームの提供を否定する訳ではなく、あくまで順序の問題」と話している。アプリベースのゲームはブラウザベースのものより開発コストがかかることから、市場の広がりに応じて対応を検討していくようだ。
取材時点ではサービスを開始していないdゲームだが、渡辺氏はメインのユーザー層について「ドコモのスマートフォンユーザーとほぼ一致するのでは思う。20代後半から30代中盤くらいの層が多くなるだろう」と予測する。しかし今後は、フィーチャーフォンを利用している40代前後の層がスマートフォンへと移行するため、「より上の年齢層のユーザーを獲得できるチャンスも生まれてくるのではないか」とも話す。
実際、セガの「ダビつく」などはそうしたユーザーを意識し、多くの人に馴染みのある実名の馬を登場させながらも、難しい要素を減らしてゲーム内容はシンプルにしているとのこと。他のソーシャルゲーム事業者も、50代以上のユーザー開拓実績はまだ高くないことから、dゲームではシニア層などの獲得も意識しているようだ。
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