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お得なのはどのキャリア?――3社から出そろった新料金プランを比較する(2/2 ページ)

NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDIから、通話定額サービスと新しいパケット定額サービスが発表された。スマホ向け通話定額サービスは月額2700円で横並びだが、パケット定額サービスやキャンペーンなどで細かい違いがある。お得なキャリアはどこか?

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小刻みなパケット定額サービスを用意するau

 新プランで大きな違いがあるのはパケット定額の部分。旧プランでは月3Gバイトか7Gバイトのプランがほぼ一択だったが、新プランでは月2Gバイト~30Gバイトが用意されている。auのみ月13Gバイトまでだが、より細かい選択肢を用意している。新旧プランの違いは以下の通り。

主なスマホ向けパケット定額サービス
ドコモ新プラン ソフトバンク新プラン au新プラン ドコモ旧プラン(3Gバイト) ドコモ、ソフトバンク、au旧プラン(7Gバイト)
サービス名 パケットパック データ定額パック データ定額 Xiパケ・ホーダイ ライト 各社のフラット型
2Gバイト 3500円 3500円 3500円 - -
3Gバイト - - 4200円 4700円 -
5Gバイト 5000円 5000円 5000円 - -
7Gバイト - - - - 5700円
8Gバイト - - 6800円 - -
10Gバイト 9500円 9500円 8000円 - -
13Gバイト - - 9800円 - -
15Gバイト 1万2500円 1万2500円 - - -
20Gバイト 1万6000円 1万6000円 - - -
30Gバイト 2万2500円 2万2500円 - - -
超過時 1Gバイト1000円 1Gバイト1000円 0.5Gバイト550円、1Gバイト1000円 2Gバイト2500円 2Gバイト2500円
翌月への繰越 (5Gバイト以上。家族データシェア、U25ボーナスとの併用不可)
家族に贈る ○(12月開始予定)
シェア 2台目(家族のスマホやタブレット)と月500円でシェア 2台目(家族のスマホやタブレット)と月500円でシェア(8月開始) タブレット向けに月-2850円のデータシェア(12月開始。現在はキャンペーン中)
25歳以下向け増量 月1Gバイト増量 月1Gバイト増量
長期契約者増量 6年目以上のユーザーは3カ月に1度0.5~2Gバイト増量
iPhone 5、5s、5c向け増量 最大13カ月1Gバイト増量(iPhone 5s、5c) 最大13カ月1Gバイト増量(下と併用は不可) 最大13カ月1Gバイト増量
その他増量 8月末までに5Gバイト以上のプラン、最大13カ月2Gバイト増量 8~11月データ容量20%増
※初出時にiPhone5、5s、5c向け増量でドコモを「-」としていましたが、ドコモも最大13カ月にわたって1Gバイトが増量されます。ソフトバンクのシェア条件に誤りがありました。ドコモ旧プラン(3Gバイト)とドコモ、ソフトバンク、au旧プラン(7Gバイト)の翌月への繰越を、それぞれ△(無料通信分の繰越)、△(ドコモ無料通信分の繰越)としていましたが、繰越は非対応です。おわびして訂正いたします(6/30 23:00)。

 パケット定額に関しては、旧プランより新プランの方が魅力的に映る。特にあまりデータ容量を使わない人には、月2Gバイトを選べばさらに安くできる。筆者も動画やゲームをしないとパケットは月2Gバイト以内に収まることが多い。逆にヘビーユーザーにとってはデータ容量が大きいプランを選ぶことができ、データ容量超過時の追加料金も、2Gバイトで2500円から1Gバイトで1000円になるなど、安くなった。

 ただ、大容量の選択肢があるのは、データ容量のシェアや家族に贈ることも想定しているからだ。この点を比較すると、ドコモとソフトバンクは月500円で2台目、家族がシェアしやすくなっている。ソフトバンクの場合、ソフトバンクの場合、5Gバイト以上なら余った分を翌月に繰り越せるので、使い方にムラがあってもデータ容量が無駄にならない。

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※初出時に「最もシェアしやすいのはドコモ」としていましたが、ソフトバンクも同条件でした。おわびして訂正いたします(6/30 23:00)。

 ドコモはデータ容量を無駄なく使うには、シェアしている端末同士でキレイに使い分けが必要。使い方にムラがある家族がいると調整が難しそうだ。

 auはシェアではなく、データ容量を家族へギフトとして贈る使い方。家族の誰かが「オーナー」として契約する必要がなく、それぞれが自分の使い方に応じて契約する。携帯料金を個別に払っている家族がいる場合、こちらの方が自然だろう。

 ただしデータ容量を自分で使い切ってしまう可能性もあるし、実際に家族へギフトとして贈る人がどれだけいるかは未知数だ。auではドコモ、ソフトバンクのように2台目以降を子回線で契約できない。タブレット向けのデータシェアもあるが、これは正式スタートが12月に先送りされ、現在は先行キャンペーン(はじまる!データシェアキャンペーン)として、LTEフラット月5700円との契約から2850円が割り引かれ、スマートフォンとタブレットで7Gバイトずつを利用できる。

 3社の優遇策はデータ容量の増量になるが、長期契約者やiPhone向けに用意しており、適用される人が多い。

長期契約・家族・セット割を適用して最もお得なのは?

 最後に新プランのパケット定額に主な割引を適用した場合の料金を比較する。ドコモの「ずっとドコモ割」は5~15年以上の長期契約者、ソフトバンクの「家族おトク割」は家族で2回線以上契約+データ定額パックのデータ量が計10Gバイト以上、auは「auスマートバリュー」(固定回線やWi-Fiルーターとのセット割)が適用されると割引になる。

主な割引適用時
ドコモ新プラン(ずっとドコモ割) ソフトバンク新プラン(家族おトク割) au新プラン(auスマートバリュー)
サービス名 パケットパック データ定額パック データ定額
2Gバイト 2900円(15年以上) 3500円(なし) 2566円
3Gバイト 3266円
5Gバイト 4200~4400円(10年以上~) 4700円 3590円
8Gバイト 5390円
10Gバイト 8500~9200円(5年以上~) 8500円 6590円
13Gバイト 8390円
15Gバイト 1万1500~1万2200円(5年以上~) 1万1000円
20Gバイト 1万4500~1万5400円(5年以上~) 1万4000円
30Gバイト 2万500~2万1700円(5年以上~) 1万9500円

 auのスマートバリューが特に安く、最大で月1410円引きとなる(最初の2年。3年目から、または2Gバイトと3Gバイトは月934円引き)。ただし筆者のように固定回線の違いで、auユーザーであってもスマートバリューが適用されない人もいる。

 ドコモは2Gバイトや5Gバイトのパケット定額でも、長期契約者は割引されるが、10Gバイト以上になるとソフトバンクの方が安くなることもある。ただしソフトバンクは2年の割引で、また2回線の合計が10Gバイト以上といった条件がある。


 以上、新プランを見ていくと「通話が多い人」「家族で同一のキャリア」「複数台持ち」「長期契約者」という人にメリットが大きく、新プランをオススメしたい。

 一方、筆者のような「家族とは別キャリア」、ケータイは「待受用」、または「MNPでキャリアを頻繁に変えた」という人には、あまり恩恵がない。そんな人はしばらく旧プランを維持しつつ、キャンペーンやMVNOの動向も見て新プランへ切り替えるか判断したい。

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