Apple SIMがGigSkyと組んで90の国と地域で利用可能に━━海外渡航時に安く使える選択肢が次々に登場:石川温のスマホ業界新聞
アメリカ限定だった「Apple SIM」が90カ国で使えるようになった。Apple SIMを含めて、海外渡航時に入国してすぐに使える安価な通信手段がますます広がりそうだ。
アメリカでLTE版iPad Air 2やiPad mini 3を購入すると「Apple SIM」が同梱されている。
Apple SIMを挿入し、通信を行うと、AT&TやT-Mobile、スプリントが選択でき、プリペイドで現地のLTE通信環境を構築することができる。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年7月4日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。
そのApple SIMが、GigSkyという通信会社と手を組んだ。これにより、90以上の国と地域で、通信が行えるようになったという。例えば、ドイツにiPad Air 2を持ち込めば、6000円で3GBの通信が行えるといった具合だ。
ちなみにApple SIMは、iPadを購入しなくても、アップルストアで単体での購入が可能だ。実際に筆者も2014年12月にハワイのアップルストアで5ドルを支払って購入した。現在では世界10カ国でも購入できるようになったようだ(日本は対象外)。
海外へ頻繁に出張や旅行をするのであれば、Apple SIMとiPadという組み合わせは結構、便利なのではないだろうか。iPad単体で使っても良いし、テザリングでスマホやパソコンを接続してもいい。残念ながら3G通信のみで、LTEには非対応のようだが、それでも現地に到着して、すぐにネットが使える環境というのは心強い。
だが、ここ最近になって、海外での通信環境を実現する上で、新たな動きが出始めつつある。
例えば、au版のiPhoneは、アメリカであれば、AT&TやKDDIの子会社であるH2OWirelessのSIMカードが使える「限定的SIMロックフリー」になっている。
au宛の電話を現地のキャリアに転送できないため、IP電話にau宛の電話を転送する、あるいは過去に使っていたau版iPhoneを持って行き、2台持ちで片方は現地SIMカードによる通信専用、もう一方をau宛電話を受けるためにローミングで持ち込むといった工夫が必要となる。
とはいえ、現地では格段に安く通信環境を手に入れられるので、auユーザーは試してみる価値があるだろう。
また、ケイ・オプティコムでは9月からアイルランドのキュービックテレコムと協業し、約200の国と地域で使えるプリペイドデータSIMカードを提供する予定だ。
これまでは「スマホのローミングサービス」あるいは「空港でルーターを借りる」というのが定番であったが、この夏以降は、様々な選択肢が出てきたことで、さらに海外での通信環境が快適なものになりそうだ。
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