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「分離プラン」の弱点をカバーしたau新料金プラン MVNOへの流出阻止なるか石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

KDDIは新料金プランとして「auピタットプラン」と「auフラットプラン」を提供。端末の買い替えをサポートする「アップグレードプログラムEX」も導入し、分離プランの弱点解消にも努める。新料金プランの狙いや、同時期にドコモが導入した「docomo with」との違いを解説する。

 「お客さま、1人1人に合った料金プランを導入したい」――こう語るのは、KDDIの田中孝司社長だ。同社は新料金プランとして、「auピタットプラン」「auフラットプラン」を発表。合わせて、端末の買い替えをサポートする「アップグレードプログラムEX」も導入した。まずは、その詳細を見ていこう。


「auピタットプラン」と「auフラットプラン」を導入したau

段階制とフラットプランの2つから選べる新料金プラン

 auの新料金プランは、大きく2つに分類される。1つが、春商戦に導入した学割の流れをくむ、auピタットプランだ。auピタットプランは3種類に分かれており、通話料が従量制のシンプルの場合、料金は2980円(税別、以下同)から。完全通話定額のカケホだと4480円、5分限定の通話定額のスーパーカケホだと3480円からとなる。


新料金プラン導入の背景を語る、KDDIの田中社長

 料金はデータの使用量に応じて変動する仕組みで、上記の料金は1GB以下の場合。2GB、3GB、5GB、5GB超と料金が5段階に変わるのが特徴で、5GBを超えると、最大20GBまで利用できる。ここに固定回線とのセット割引である「auスマートバリュー」を組み合わせると、シンプルとスーパーカケホが2980円から、カケホが3980円からになり、さらに1年間限定の「ビッグニュースキャンペーン」も実施。新規契約や機種変更時に加入できるキャンペーンで、1年間、1000円の割引を受けられる。

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料金は音声定額の有無や種類によって異なるが、auスマートバリューを適用すると、最安で1GB以下の場合は2980円から。ビッグニュースキャンペーンの適用でさらに1000円安くなる

 auスマートバリューやビッグニュースキャンペーンを全て受けた場合の料金は、シンプルが1980円から4980円、スーパーカケホが1980円から5480円、カケホが2980円から6480円になる。


ビッグニュースキャンペーンを適用すると、1000円割引になり、最低料金は1980円に下がる。ただし、現時点ではiPhoneシリーズが非対象

 もう1つのauフラットプランは、データ定額の20GBと30GBをセットにした料金プランで、20GBのauフラットプラン20(シンプル)が月額6000円、30GBのauフラットプラン30(シンプル)が月額8000円。これまでの料金プランは、20GB、30GBのデータ定額と通話定額なしの基本プランを組み合わせることができなかったが(現行のデータ定額1~5も同様に組み合わせられない)、auフラットプランでは、シンプル、スーパーカケホ、カケホの3つが用意されているのも特徴だ。スーパーカケホの場合は20GBが6500円、30GBが8500円、カケホの場合は20GBが7500円、30GBが9500円となる。


20GB、30GBという2つの容量と、3つの音声プランの組み合わせで、計6つのプランから選べる「auフラットプラン」

 auフラットプランも、auスマートバリューや先に挙げたビッグニュースキャンペーンの対象で、それぞれ1000円ずつの割り引きを受けられる。全て適用した場合、auフラットプランのシンプルで4000円から。従来よりも大容量プランを安価に利用できるようになる。旧プランも残す形だが、「両方比べたら、新プランが有利になる」(田中氏)ように設計されているという。


auスマートバリュー、ビッグニュースキャンペーンでそれぞれ料金が1000円ずつ割引になり、最低料金は1年間4500円からになる
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