「P9シリーズよりも売れている」 ファーウェイ呉波氏に聞く「P10」3機種の手応え:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/3 ページ)
SIMフリー市場でHuaweiの快進撃が続いている。6月に発売された「P10」シリーズは「P9」シリーズよりも好調だという。その要因をデバイスプレジデントの 呉波(ゴハ)氏に聞いた。
SIMロックフリースマートフォン市場で、Huaweiの快進撃が続いている。6月に発売されたフラグシップモデルの「HUAWEI P10」「HUAWEI P10 Plus」や、普及価格帯の「HUAWEI P10 lite」は、いずれも好調。同社によると、発売2週間での売れ行きは、P10シリーズがP9シリーズの1.6倍。P10 liteに至っては、P9 liteの1.8倍というボリュームになったという。スマートフォン全体でも、前年同期比で3倍に急成長している。
BCNの調査では、SIMロックフリースマートフォンメーカーとして、上半期のシェア1位を獲得。Huawei同様にSIMロックフリー市場へいち早く参入したASUSとデッドヒートを繰り広げている状況だ。一方で、同社にとって、SIMロックフリースマートフォンはあくまで選択肢の1つ。日本ではWi-Fiルーターやタブレットが中心だが、海外では、大手キャリアもHuaweiのスマートフォンを取り扱っている。
特に日本では、キャリアのスマートフォンが持つシェアが大きいこともあり、Pシリーズで培った知名度を引っ提げ、この分野への再参入があるのかは気になるところだ。また、同社は、FeliCaへの対応も表明しており、今後の端末への採用が期待される。そこで、ファーウェイ・ジャパンでデバイスプレジデントを務める呉波(ゴハ)氏に、P10シリーズの手応えや、今後の戦略をうかがった。
2017年が1つの分岐点になる
―― P10、P10 Plus、P10 liteが好調とうかがいました。
呉氏 日本市場では、上期だけで3倍に増えています。BCNからの引用になりますが、P10(Plusも含む)はP9と比べて1.6倍、P10 liteに関しては1.8倍の増加になりました(ともに発売2週間での比較)。上期のSIMフリー市場では、弊社が1位となっています。
―― 伸びた理由を、どう分析していますか。
呉氏 2017年は、1つの分岐点になると思っています。SIMフリー市場に参入した3年半前は、高速道路に上がるスロープを上っているところでしたが、2017年は高速道路に入り、一気に加速している段階になりました。日本のSIMフリー市場は今年(2017年)に入り、3倍、4倍に成長すると見ていましたが、今のところ、ほぼその予測通りになっています。
―― その理由はどこにあるのでしょうか。販路が広がったのか、パイが増えたのか、何が効いているとお考えですか。
呉氏 複数の要素が重なっています。主な要因として、まずマクロな環境……これは政治、行政の環境ともいえますが、それをお話しすると、総務省が端末購入に補助に対してさらなる制限をかけ、SIMフリー市場を大きくしようという動きがありました。これによって、SIMフリー市場で事業を展開している事業者が、自信をつける結果になりました。
2点目の理由として、自信がつくことで、SIMフリーの端末売り場も場所がよくなり、面積も広く取られるようになりました。今は家電量販店に入って、すぐ目に入るが、SIMフリースマートフォンの売り場です。場所が拡大して、ロケーションもよくなっているということです。
もう1つ、メディアの注目も高まりました。例えば、これまで私は1年に10回ほど取材を受けてきましたが、今では月に20回です(笑)。非常に関心を集めていると、実感しています。
結果として、過去3年間は1万円台、2万円台の端末が主流でしたが、今となっては1万円台の格安スマホが消え、2万円台のものも少なくなっています。その代わり、4~7万円のスマートフォンが出てきて、価格帯のバリエーションも広がりました。その中でも、3万円台のものが多く出ており、主流になっています。
これが何を物語っているかというと、SIMフリーのスマートフォンが、キャリアのスマートフォンと肩を並べるところに来ているということです。これまで、キャリアのスマートフォンが選ばれてきたのは、機能やスペックがいいからでしたが、SIMフリースマートフォンはスペックだけでなく、価格もキャリアのスマートフォンに追い付いてきています。
一方で、料金プランを見ると、キャリア側が月々6000円、7000円かかるのに対し、SIMフリーの場合は(MVNOを選ぶと)月に2000円ぐらいしかかかりません。SIMフリーを選べば、月5000円、1年で6万円、2年で12万円もの節約になるというわけです。(スペックが同じで)料金プランでの競争になれば、SIMフリースマートフォンの方が節約になるということで、選ばれることが増えています。
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