最近話題の「5G」 一体何ができるようになるの?:ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2018(2/2 ページ)
2020年までの商用サービスを目指して実証実験などが進む「5G」。しかし、何ができるのかいまいちピンと来ないところもある。「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2018」の展示から、何ができるようになるのか見ていこう。
遠隔合奏:ライブやカラオケのスタイルが変わる?
楽器メーカーとして知られるヤマハは、インターネット越しに合奏(セッション)できるシステム「NETDUETTO(ネットデュエット)」の開発を進めている。
合奏は他の楽器を演奏する人、あるいはボーカリスト(歌手)とのタイミングが非常に重要になる。そのため、現状では通信遅延のより少ない有線(固定回線)での利用を推奨している。
しかし、先述の通り、5Gではデータ伝送の遅延を片道1ミリ秒以下とすることが目標とされている。この目標通りのスペックを実際の環境でも実現できれば、息の合った遠隔合奏を固定回線を用意することなく楽しめるようになる。遠くにいる友だちとカラオケでズレることなくデュエット、なんてことも固定回線なしでできるかもしれない。
スポーツ観戦:自由視点視聴やARを生かした付帯情報確認も
5Gの特徴をフルに生かすことで、スポーツ観戦も変わる可能性がある。
例えばスポーツを実地で観戦していて「気になる選手をもっと近くで見たい」「ちょっと違う視点から見てみたい」といった時、5G対応のスマートフォンやタブレットで高解像度のマルチアングル映像をほぼ遅延なく見られる可能性がある。
端末の台数が増えると、通信の混雑によってスループット(実効速度)が落ち込み、遅延も増える可能性がある。しかし、IoT(モノのインターネット)デバイスの増加や通信の混雑に備えて、5Gは同時接続(通信)できる端末の数を4Gの100倍に拡大している。この多接続特性を生かして、その場で煩雑な接続設定なくリッチコンテンツを配信できるのだ。
5GにAR(拡張現実)技術を組み合わせて、現地あるいはテレビ・動画配信で観戦している試合でスマホやタブレットを向けると付帯情報を見られる、といったサービスも考えられる。
通信規格としての5Gは、2017年12月に標準仕様の第1弾が策定された。今後、2年程度で商用サービスが始まるものと思われる。それを受けてか、次第に5Gの実証実験は実際の利用シーンを想定したものになりつつある。
5Gは少しずつ、確実に私たちのもとに近づいている。未来は、すぐそこだ。
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